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EPISODE #75
【食材調達】普通じゃないはるきちオーガニックファーム
我が家のライフスタイルが普通じゃないのは何となくわかりますが、どれだけ普通の家庭とズレているかは、よくわかりません。
そんな時は、何でもはっきりと言ってくれる友人の存在が嬉しいものです。今回は、友人夫婦と行った、はるきちオーガニックファームでの買い出しのお話。
以前勤めていた会社の転勤で札幌に引っ越してきたのが2年前の春でした。それから2年の間に、多くの地元の方とお仕事をさせていただきました。中には、私が勝手に友人と思っている方が何人かいらっしゃいます。
この日は、農産物輸出の取引を担当していた際に、海外側で助けていただいた後藤さんと一緒でした。年齢は後藤さんの方がいくつも上ですので、友人と呼ぶのは申し訳ないのですが、何でも言い合える仲なので、いつも甘えてしまいます。
後藤さんご夫婦と、我が家は私と妻と子供たち3人でぎゅうぎゅう詰めの車。向かったのは、札幌市の北隣の石狩市にある、はるきちオーガニックファームでした。あいにく北海道に今年初めての台風が上陸した日。ほんとに野菜が売っているのか不安でした。
はるきちオーガニックファームの看板を見つけて路地に入ると、可愛いたくさんの野菜の絵がデザインされたガレージが目に入ってきました。半開きになったシャッターの中に、お店のような棚が見えました。あれ、やっぱり、やってないのかな?
中に入った後藤さんが挨拶しています。はるきちオーガニックファームの小林さんでした。古いガレージの内装を生かした空間に、その日の朝にとれた野菜がずらり並んでいます。私たちが来るのを知って、大雨の中、朝から収穫しておいてくれた野菜たちでした。
この直売所に並ぶ野菜は、全て小林さんの畑で収穫されたものです。スイートコーン、枝豆、トマト、カボチャ、キュウリ、ニンニクに葉物野菜、ポップコーンまであります。これはすごい農家さんを紹介していただきました。何を買ったらいいか迷ってしまいました。
そんな気配に気づいたのか、小林さんが、裏の畑を見ますか?と提案してくださいました。「いいんですか!?」台風の大雨の中、歩いて畑を案内していただけました。ミニトマトが鈴なりになっているハウス、葉物野菜のハウス、白菜の畑、大根の畑。全部で5ha以上、札幌ドームと同じぐらいのもの凄い広さです。
家庭菜園で農業の難しさは知っていました。しかし、ここで行われているのは、違う次元の高い技術とち密な計算、そして多くの手間がかかる有機農業でした。しかも、自分の畑で採れた野菜だけで直売所をいっぱいにするために、多くの種類を同時に作っている。この農家さんは、ただ者ではありません。
こんなにすごい野菜を見せられたら、嬉しくなって買わずにはいられません。直売所の買い物カゴ2つ分の、スイートコーン、枝豆、キュウリ、空心菜、じゃがいもに、黒豆にハチミツまで買います。後藤さんは、横目で見ながら呆れていました。
この日、私が最も興奮したのは、ファームの中に鶏舎があって、有機有精卵を生産していることでした。初めて親鶏を見て買えた玉子です。伺うと、親鶏は3年目から玉子を産む数が減るそうです。じゃあ、3年目の鶏はどうするんですか?と聞きます。
「つぶして、鶏肉にします。」と小林さん。「え、鶏肉も売ってるんですか?」と喰いつくと、「いいえ。でも、つぶして羽をむしる作業を手伝ってくれた方にあげてます。やります?」と信じられないほどにありがたいお誘いです。
「もちろんです!ね、後藤さん?」後藤さんの顔を見ると、「えぇ、まぁ...」と気のない表情です。鶏解体の約束をして、この日は帰路につきました。帰りの車内、後藤さんから「鈴木さんはやっぱり変わってる。僕は解体はいいや。」
あ、私って、こうゆうところが普通と違うんだ。言われてみて初めて気が付く、意外な発見でした。
コメント
友人と思っていただけると光栄です。逆に言えば、今は友人でしかありませんね。10月は肉関係を始動しましょうね。
独立起業して組織を離れてしまうと、知ってる人は、友人か友人じゃない人かでしか分けられない気がしています。
勝手ながら、後藤さんはかなり友人の方に位置づけられています。
10月は、肉ウィーク(牛、豚、鶏?)で攻めたいですね。
このチャレンジの成否は後藤さんにかかっています!
よろしくお願いいたします!