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【食材調達】食生活を豊かにする魔法の箱と宝物

EPISODE #221

【食材調達】食生活を豊かにする魔法の箱と宝物

2018.8.1

食材調達

1年間にわたった100マイル地元食の挑戦も残すところ1週間。最終日の夜のラストディナーに向けて、食材調達に走ります。想いから生まれる行動があれば、繰り返す行動が生み出す自然体の想いもあります。

今回は、なん十回目かの買い物ロングドライブと我が家なりの豊かな食生活のお話。

 

250kmの買い物ロングドライブ

ラストディナーに使う食材は、この1年間に出会った友人から買った物だけにしよう。妻と相談して決めた、この風変わりな生活のゴール。5月下旬の北海道。地元にはどんな食材があるのでしょうか。

旬の野菜を買いに、いつもの買い物ロングドライブの始まりです。我が家がある札幌の平野部から南西の峠を越えて羊蹄山エリアへ。そこから洞爺湖の脇を抜けて太平洋側に出たら、海沿いをぐるりと回って帰ってきます。

車での走行距離は250km、順調に進んでも6時間もかかる壮大な買い物です。たかが野菜のために1日かけて走り回るなんて...便利な現代都会人の生活の対極にある、もう一つの買い物の世界。私にとっては、我が家なりの豊かな食生活を見つめる大切な時間です。

 

留寿都よしかわファームのアスパラガス

まだ山頂に雪が残る羊蹄山を間近に眺めながら、久しぶりに訪れた留寿都村の「道の駅230ルスツ農林水産物直売所」は活気に満ちていました。今が旬のアスパラガスを求めて、多くのお客さんが直売所を訪れていたのです。

いつもの「よしかわファーム」の棚には、今だけお目にかかれる濃い緑色のアスパラが並んでいます。冬の間じっと地中で待っていたアスパラ。やっと顔を出して朝陽をいっぱいに浴びた色です。

よしかわファームのアスパラガス

よしかわファームのグリーンアスパラガス

この日は急遽思い立っての買い物だったので、友人の吉川さんご夫婦にはお会いできませんが、お二人が朝からせっせと手摘みする様子が目に浮かびます。

「今日ももらってくよ。」駆け足で留寿都を後にします。

 

EIKOグリーンの真っ白いカブ

次に訪れたのは、温暖な太平洋側にある「伊達市観光物産館」です。北海道でも屈指の人気を誇るこの直売所に来たのは、ある農家さんの野菜を買うためでした。新しい友人のエイコさんの野菜です。

エイコさんは、伊達で野菜や花を育てる農家さんで、いつか地元の方たちが集まるカフェを開きたいと夢見る素敵なお母さんです。あるイベントで知り合ったことをきっかけに、いつか直売所で野菜を買いますね、と約束をしていました。

伊達市観光物産館のEIKOグリーンの棚

直売所のEIKOグリーンの棚

「EIKOグリーン」という名前が書かれた棚には、白くて綺麗なカブが並んでいます。普段はほとんど買うことのないカブでも、エイコさんが育ててくれたものなら食べてみたくなります。確かに買ったからね。次にお会いした時にお伝えする楽しみができました。

 

食生活を豊かにする魔法の箱と宝物

自由な時間ができたときに何をするか、そこには人それぞれの個性が出ます。街に出てショッピングを楽しむ?快適な部屋に閉じこもってゲームでもしようか? 私が少しだけ普通じゃないのは、そんな自由時間に地元の直売所を巡るロングドライブをしていることです。

その日の朝に、農家さんという愛おしい友人が収穫したばかりの野菜を買えるなんて、こんなに素敵な買い物が他にあるでしょうか。私にとって直売所の棚は、移り変わる地元の季節と、友人たちの営みを感じさせてくれる魔法の箱です。

中山峠付近の新緑の森

外の世界は静かに少しずつ移り変わっている

新しい出会いが素晴らしいものだと信じている?力を抜いて自分の時間を作れている?いつもお腹を空かせている?

そうやって自分に問いかけ続けてきたこの1年間。いつの間にか私たちを取り巻く地元に宝物が増えていました。友人たちと友人たちが育ててくれた旬の食べ物は、私たちの食生活を底抜けに豊かにしてくれる大切な宝物です。

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