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EPISODE #76
【お料理】揚げ物の王様の塩ザンギ
家庭での揚げ物は、キッチンがベトベトになるし、油臭いし、カロリーも気になるしで、敬遠しがちです。だから、揚げ物は外食で、という方が多いと思います。
ですが、我が家の100マイル地元食ルールでは、食べられる外食店が見つかっていません。今回は、子供に絶大な人気を誇る揚げ物の王様、塩ザンギのお話。
なぜ、子供はこんなにも揚げ物が好きなのでしょうか。とんかつ、コロッケに、フライドポテト、そして、唐揚げ。テーブルに置いた瞬間から、「もう食べていい?」の大合唱です。家で揚げ物をしたくない親の理由は考慮してもらえず、揚げ物の頻度は上がるばかりです。
我が家がある北海道では、独自の揚げ物文化があります。それが、ザンギです。北海道出身の方には怒られるかもしれませんが、鶏のから揚げのことです。普通のから揚げとの違いは、諸説ありますが、衣に玉子が入っていること、そして、濃い目の下味がついていることだと私なりに理解しています。
長男(6)が幼稚園で何か頑張れた時、長女(3)がお手伝いをしっかりやった時、ご褒美として登場するのが我が家のザンギです。100マイル地元食生活を始めた時に、私の両親が買ってくれた冷凍庫には、常にスーパーで買った鶏の手羽元がストックされています。
解凍した手羽元に味をつけます。塩での味付けが基本の我が家。最近、絶対に失敗しない味付けの方法を編み出しました。味をつける食材の重さを量り、1.5%の重さの塩で味付けする方法です。鶏肉が1kgなら、15gの塩です。
1.5%は、薄味が好きな妻と子供たちと、濃い味が好きな私の、両者が納得できる妥協点です。他には、塩の半分の砂糖、多めの酒を入れて、よく鶏肉に揉み込みます。次に、玉子と小麦粉、そして、衣をサクサクにするため、片栗粉も入れます。
後は、2~3時間ぐらい常温で置いておいて味を染み込ませます。揚げる直前まで冷蔵庫に入れておくと、中まで火が通るのに時間がかかって、外側が揚がりすぎ硬くなってしまいます。理系の人間が料理をすると理屈っぽくなるなあと、妻に言われるでしょうね。
揚げ油は、米油を使います。今のところ、100マイル内で見つかっているのは、米油と菜種油です。米油は、精米した時の米ぬかを絞って作られた油です。菜種油は少しクセがあり、価格も高めなので、大人の贅沢向き。子供用は、まあ米油でいいでしょう。
もったいないから浅めに張った油を170℃に熱したら、ついに揚げる時です。子供たちの期待を背中に感じ、よく味が染み込んだ鶏肉を投入します。油が浅いので、ちょっと揚げたらひっくり返します。この時は、まだ薄く色づくぐらいにしておきます。
一度、早めに油きりの網に取り上げます。そして、そのまま15分ほど置く。予熱でゆっくり中まで熱を入れて、柔らかく仕上げるためです。15分経ったら、今度は190℃にした油で、キツネ色になるまで一気に揚げて完成です。二度揚げは手間ですが、美味しくさせるために必要な努力です。
こんなに偉そうに書いていますが、正直、せっかちな私は揚げるのがうまくありません。ベタベタするし、熱いし、二度揚げを待ってられないし。だから、だいたい妻に揚げてもらっています。自然な流れで妻を揚げ担当にさせるのも、テクニックの内です。
子供たちから見れば、お父さんお母さんの見事なチームワークで作ってくれた塩ザンギ。手羽元の骨を持ってかぶりついてくれるのを見ていると、妻も頑張って揚げた甲斐があるでしょう。
塩ザンギを揚げる時は、いつも多めに作ります。米油はほんとにあっさりしてクセがない油です。ザンギが冷めても、冷凍しても、温めなおせば、また美味しく食べる事ができます。作るのが大変ですが、とっても重宝する我が家の常備菜です。
冷凍庫に大切にしまっておいて、買い出しに行く時のお弁当に入れる。これでまたロングドライブでも頑張れます。
塩ザンギ(4人分+作り置き)