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EPISODE #127
【お料理】初めての玄米とコイン精米所
新米を玄米で食べるか白米で食べるか。そんなこと今まで考えたことがありませんでした。健康食に全く興味がない私は、今まで玄米を食べたことが無かったのです。
今回は、初体験のコイン精米所と玄米ご飯のお話。
これは少し前のお米についてのお話です。秋の新米の季節たくさんのお米を買わせてもらいました。江別市の宮川農園さんのゆめぴりか、蘭越町の黒川農場のななつぼし、旭川市のぬまんちさんのななつぼし。家にお米がたっぷりあると、なんとも言えない安心感があります。
あまり知られていませんが、北海道は日本を代表する米の大産地です。収穫量の1位は65万トンぐらいでずっと新潟県ですが、北海道は1~2万トン差の2位でトップに肉薄しています。札幌に住んでいる限り、100マイル内のお米で困ることはありません。
買った順に、宮川さんの香り豊かなゆめぴりかを食べ尽くし、黒川農場のもちもちで甘いななつぼしを食べ尽くし、ついに家には白米が無くなってしまいました。残すは、ぬまんちさんのななつぼしの玄米だけです。
「白米無くなったから、精米してきてー。」と妻が言うのですが、どこでどうしたら良いのかさっぱりわかりませんでした。
車を運転しているとたまに、コイン精米所というのを見かけることがあります。たぶん、あそこに玄米を持って行って、コインを入れると精米できるのでしょう。今まで、玄米なんて買ったことがなかったので、もちろん経験がありません。
外は寒いし、正直行きたくありませんでした。精米しなくても玄米のまま食べればいいじゃないか。精米に行きたくないとは言わずに、妻に玄米ご飯をリクエストしました。炊けるまでの時間がちょっと長いのと、塩を一つまみ入れるぐらいで、難しいわけではなさそうです。
炊きあがった玄米から、ゴマのように香ばしい湯気が立ち上ります。噛みしめると、普通の白米のご飯と同じような軟らかい部分だけでなく、コリコリとした歯ごたえがある部分もあります。コリコリの正体は、ビタミンやミネラルが豊富な胚芽でした。玄米ご飯は、健康に良いかどうかを置いておいて、純粋に美味しい食べ物です。
この日は家族全員で玄米ご飯を食べました。大人は、これから毎日玄米でも良いかなと思うほどに気に入りました。でも、しばらく玄米が続くと、子供たちが白いご飯を食べたいと言い始めました。はあ、やっぱり精米に行かないとだめか。もう観念しました。
我が家から一番近いコイン精米所に行くとこになりました。初めて見る機械には玄米を入れる入口と、コインの投入口があります。機械の使い方は書かれておらず、貴重な米を入れるのは緊張します。恐る恐るセットすると、ぐわんぐわんと大きな音をさせて、隣の取り出し口から、あっという間に白米が出てきました。
思っていたよりも精米は簡単でした。白米を持ち帰った父親は英雄扱いです。こんなチャンスはなかなか無いので、この日は、玄米と白米の両方を炊いて食べ比べをしてみることにしました。
ぬまんちさんの田んぼで、稲刈りを見学できたななつぼし。薄茶色の玄米ご飯と、白く輝く白米ご飯になって並んでいます。玄米ご飯はやっぱり、香ばしくて歯応えが楽しくて好きです。白米ご飯はというと...食べ慣れた米の甘みや粘り気が楽しめて、こっちも美味しい。
どちらが好きかと言われても、元は同じお米。そこは甲乙つけられません。でも、特徴が違う2つの食べ方は、合わせるおかずで使い分けても良いかもしれません。うま味が強い、味が濃い料理には断然玄米です。お刺身のような優しい味の料理には白米でしょう。
1つ言えることは、玄米の「健康に良いから美味しくないけど我慢して食べる」という、私が持っていたイメージは、完全に間違いだったということです。そして、農家さんから玄米で買うという、新しい買い方に挑戦したからこそ、玄米ご飯の味を知ることができました。
ただのカロリーを摂るためのご飯ではなくて、1つの食べ物として楽しむご飯。今日も我が家では、山盛りご飯を食べています。
土鍋で玄米ご飯
※玄米は、周りに糠の層があって硬いため、水に浸ける時間と炊く時間は、白米よりも長くなります。塩を入れるのも、糠の層を軟らかくするためのようです