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EPISODE #55
【保存食】家庭菜園トマトで作るサン・ドライド・トマト
家庭菜園でトマトを育てたい。しかも、調理用の酸っぱいけれど旨味たっぷりのトマトを。なかなか買えない野菜を作ること、それが家庭菜園を始めたきっかけでした。
そして、トマトを作ったら、使い勝手が良くて、保存ができて、美味しいあの保存食を作りたいと思っていました。
今回は、誰でも簡単に作れる保存食、サン・ドライド・トマトの作り方です。
100マイル地元食ルールに従って、地元で生産された食材だけを食べていると、料理がとってもシンプルな味になります。生の食材から料理して食べるので、素材の味が全てです。ですが、やっぱりもう一味深みが欲しい時があります。
そんな時、いつでも旨味が足せる、保存食は魅力的です。家庭菜園で育った調理用トマトを使って、ずっと欲しかったサン・ドライド・トマト(Sun Dried Tomato)を作ることにしました。
パスタを作る時、最初にニンニクをじっくり油で炒めます。その時、刻んだサン・ドライド・トマトも入れると、素晴らしい香りと旨味が足されます。しかも、カリカリに乾いたサン・ドライド・トマトをオイル漬けにしておけば、ずっと長持ちします。フレッシュなトマトが手に入らない冬でも使える、頼もしい保存食です。
名前のややこしさと違って、作り方はとても簡単です。切る・干す・漬けるの3ステップだけ。あまり大きなトマトだと、乾燥するまでに時間がかかり、途中でカビてしまうこともあるので、小玉のトマトを使います。ヘタを取って良く洗ったトマトを縦に半分か3分の1に切ります。厚さはだいたい1cmぐらいです。
切ったトマトを、ザルや干物を作るためのネットに並べます。そして、切り口に軽くパラパラと塩を振ります。これで水分が浮き上がってきて、より早く乾燥します。天気が良ければ日当りが良い場所、夜や雨の日は部屋の中で干します。風通しが悪いと、またまたカビが生えてしまうのでご注意ください。
我が家では外に干せる場所がなかったので、窓際に干して、扇風機の弱風を当て続けました。それでも、カリカリに乾くまで3日間はかかります。1回目に挑戦した時は、気を付けていてもパラパラとカビが生えてしまいました。2回目以降は、最初に、ザルに食品に使えるアルコール消毒スプレーをかけることで、カビは防ぐことができました。
カリカリになったら、密封できる瓶の保存容器に入れて、完全に沈むまで油を注ぎます。雰囲気では、オリーブオイルを入れたいところですが、100マイル内の深川で作られた米油にします。美味しくなあれ、と蓋をしたらできあがりです。
トマトの作り方は、本でも読みましたし、習いにも行きました。ですが、どれだけ採れるのかは誰も教えてくれませんでした。思い切って30株も植えた調理用トマト。畑に行く度に、ビニール袋がいくつかいっぱいになるほど採れます。乾燥させやすい小さなトマトだけサン・ドライド・トマトにしても、ものすごい量です。
今では、500ml入る保存びんが3ついっぱいになっています。でも畑にはまだトマトがあります。最後には何瓶できのるやら...初めて苗を植えた時の緊張感、夏の太陽の恵み、収穫の喜び、そんなことを感じながらの自家製サン・ドライド・トマト作りは、大成功の予感がしています。