無性に魚が食べたくなる日があります。そんな日に行くのは、寿都漁港と決まっています。いつ行っても、新鮮な獲れたての鮮魚が手に入ります。

でもこの日は、あの男との再会で、いつもより深く寿都漁港に入り込むことができました。今回は、初めて見られた寿都漁港のセリの様子です。

魚が食べたいときは寿都漁港に行く

100マイル地元食では、肉はスーパーで買うことがほとんどです。簡単に買えるので、ついつい夕飯は肉料理が続いてしまいます。そうなると、どうしても魚が食べたくなってきます。一度魚のことを考え始めると、もう我慢できません。

そんな時に向かうのは、いつも寿都漁港です。札幌から西に車で140km、3時間弱かかります。でも、旨い魚を食べるためだったら、大きなクーラーボックスだけがお供の1人の運転も苦になりません。

寿都漁港には、寿都町漁協直営の直売所、浜直市場があります。裏はすぐ寿都漁港で、水揚げされた地魚がすぐに直売所の売り場に並びます。初めて訪れたのは水産ウィークの時でした。あの時から、私はこの漁港のファンなんです。

あの男との再会 そして幸運

漁港に着いたのは、午後1時頃。さあ、どんな魚がいるかな。さっそく浜直市場に入りました。あれ、どこかで見たことがある長身の男性がいます。もしかしてと、覗き込んでみると、水産ウィークの際にお世話になった、寿都町役場の大串さんでした。

初めて出会ったのも、ここ浜直市場でしたが、また偶然、お会いできました。私が恋愛映画のヒロインであれば、恋に落ちるシチュエーションです。ですが、この日は魚に夢中。今、どんな魚が美味しいか聞いてみました。

「それなら、セリ見ていきませんか?ちょうど午後のセリが始まる時間なんで。」

ほら、また良いことがあった。だからここに来るのはやめられない。

寿都漁港では、1日2回のセリがあって、2回目は午後1時半からです。浜直市場から少し先に行ったところに、寿都町漁協のセリ場があります。昼間水揚げされた魚がずらりと並んでいました。

「今日は水揚げ量が特別多いって聞いて、視察しに来たんですよ。」と大串さん。寿都の海の恵みと、自分の幸運に感謝です。

迫力のセリを間近で見学

セリ場には、今の時期の魚が並んでいます。近海の定置網漁、海底に沈めるタイプの底建網漁、隣町の島牧村の漁など、様々な漁で獲られた魚が、ここに集まっているのです。仲買人さん達が、セリが始まる前に品定めしています。

巨大なタンクに一杯のホッケは圧巻でした。聞くと、水産加工業者さんが買って、干物を作るらしい。ここから日本全国の居酒屋にホッケの開きが届くと思うと、感慨深いものがあります。巨大なあんこうに、それ以上に巨大なタラ。現場は迫力が違います。

セリ人が威勢が良いしゃがれ声でセリを仕切っていきます。素人の私には、何を言っているのか、さっぱりわかりません。目まぐるしいスピードで、買い手が決まっていきます。「このホッケ、キロ300円ですって。」大串さんには聞こえてました。この人は、やはりただ者じゃない。

海 セリ 直売所 そして我が家の食卓へ

セリに参加する仲買人の中に、浜直市場の方もいました。他の卸業者や水産加工業者が狙わない小さくて数が少ない、逆に言うと珍しい魚をセリ落としていきます。だから、浜直市場の鮮魚売り場は、いつも楽しいんだ。何かがつながった気がしました。

私たちは浜直市場に戻り、買い物を続行しました。妻に頼まれていたストック用のオス鮭。高校からの友人の青木君が大好きだったボラ。大串さんおススメの活きた甘エビ、青つぶ貝とホタテも買います。そして、ずっと長男(6)にリクエストされていたサバも買えました。

寿都漁港に何度も通うことで、直売所と、その裏にあった海をつなぐ最後のピースを見ることができました。惚れ込んだ産地には、足を使って繰り返し行く。さらに旨いものが見つかります。100マイル地元食に近道はありません。