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【沖縄旅行】子供たちと大人たち2つの旅行の意味

EPISODE #154

【沖縄旅行】子供たちと大人たち2つの旅行の意味

2018.2.16

沖縄旅行,ストーリー

塩釜焼きバーベキュー製塩所見学を終え、そろそろ夕飯の時間。私と妻は外食をすることに決めました。燃え尽きちゃったから?半分はそれもあったけど、残り半分は違う理由でした。このままでは大人のための沖縄旅行になってしまう、そう思ったのです。

今回は、沖縄旅行編の最終回、私たちの周りの世界と選択肢のお話。

沖縄もまた100マイル地元食の理想の土地

全てはたった3日半の間の出来事でした。小麦粉と出刃包丁、ガイドブックとたくさんの着替えを持って降り立った那覇空港。冬の寒気と初日の夕飯を乗り越え、食材を求めて走り回るうちに、この土地のエネルギーを肌と舌で感じ取りました。

塩があって、砂糖があって、うまい肉と魚があって、野菜と果物があって、米もチーズも食べられる。2,200km離れた南の島、沖縄はすごい土地でした。生きていくために必要なものが全て地元で作られています。100マイル地元食を実践するには、ここもまた理想の土地です。

ずらりと並ぶ島野菜

ずらりと並ぶ島野菜

3年前、東京から札幌に転勤になったことをきっかけに、我が家は北海道に移り住み、風変わりなチャレンジを始めました。もしあの時、私たちが沖縄に転勤になっていたら...たぶん違った結果になったはずです。

なのに外食することにしたんです、残りの1日半で。

子供のための外食で残りの沖縄を楽しむ

気が付けば、100マイル地元食旅行はいつも大人の事情優先の旅になってしまいます。でも、子供たちにとっても、沖縄旅行は人生に数回しかない大切な出来事です。彼らには、沖縄で経験していない食べ物がまだ山ほど残っていました。だから、残りの時間は外食をすると決めたのです。

“ぬちまーす” の製塩所を出た我が家は、再び第一牧志公設市場に向かいました。買った魚介類を2階の食堂で料理してもらう市場名物の体験をさせてあげたかったからです。イラブチャー(ブダイの総称)とマグロの刺身に、ソーキそば風のラーメンも。

イラブチャーとマグロの刺身

市場2階では買った魚を料理してくれる

最終日に立ち寄ったのは、人気の直売所「おんなの駅なかゆくい市場」でした。長男(6)は大きなサーターアンダギーを、長女(3)は “ブルーシールアイス” のお店で、大好きなチョコレートアイスを食べました。

ブルーシールアイス

チョコレートアイスが一番のお気に入り

こんなに美味しい食べ物は、今後二度と食べられない。目を輝かせて大切に食べています。私と妻にとっては知っている味。でも、子供たちには世界を広げてくれる味です。

知らない世界と知っている世界

たったの5日間で、人生が変わってしてしまうほどの体験ができた今回の100マイル地元食旅行。しかも、かつても訪れたことがある沖縄でです。

私たちはまだ、この世界のことを圧倒的に知らないんだ。」改めて気付かされます。

夜の牧志公設市場

夜の牧志公設市場はまた別の雰囲気

私たちは普段、目の前の限られた物の中から選択をして生きています。現代都会人は、目の前に並んだ既知の選択肢の中から、何を食べるか、どこで生きるか、誰とどう生きるかを選んでいるはずです。そして、信じているのです、自分を取り囲む小さな世界は、自分が選んできたものでできていると。

でも、私と妻は気が付いてしまいました。昨年の挑戦開始前夜、すでに知っている小さな世界の中には、純粋に自分の意志で選んで食べている物が無いことに。会ったことも無い誰かが、私たちを警戒させないよう、そっと目の前に並べてくれた食べ物を、ただ食べ続けてきたことに。

飛び込んだからこそ辿り着けた家族の食卓

知らない世界にあるかもしれない、まだ見ぬ選択肢を求めて、動かなければ安全な崖の上から、真っ暗な夜の海に飛び込むことは、普通しません。怖くてできない?いいえ、ほとんどの人にとって取る意味が無いリスクだからです。でも私たちは飛び込みました。

あの時、私たちの目の前には、一瞬で子供の頃に引き戻し、初めて食べるブルーシールアイスやサーターアンダギーへのときめきを、再び感じさせてくれるような食べ物はありませんでした。無機質な安定から、真っ暗な希望へのダイブ。私たちはまだ知らない世界を選んだんです。

土地に根を張り、季節の移り変わりに身を委ね、地元の食べ物と、それを作ってくれる人たちと共に生きていく。そんな簡単な生き方の指針。たったそれだけのルールを守るだけで、世界は、今、自分たちで選んだもので満ち溢れています。特に我が家の食卓の上には。

世界が広げてくれた沖縄旅行に感謝

知らない世界のまだ見ぬ選択肢を追いかけ始めた夫婦と、目の前の全てに偏見を持たず素直に感動し、知っている世界を広げようとしている子供たち。別々のステージを生きる大人と子供が、一つの食卓で一緒に食べている。これはたぶん、すごく人間らしい家族の食卓の形です。

ブランコと食卓

子供たちと一緒に食卓を囲めるのは人生のほんの一瞬

子供たちは、これからあっという間に成長して、自分たちの世界へと飛び出していくはずです。その時、彼らが何を選択するかは完全に彼らの自由にしてあげたいと思います。少なくとも、彼らは普通の子供と同じ食生活と、制限だらけですが、食べている実感に溢れた風変わりな食生活の両方を知っています。

親に出来るのは、子供の世界を広げてあげることです。そしていつか、まだ知らぬ世界に飛び込もうとするとき、背中を押してあげることです。家族全員の世界を広げてくれた沖縄旅行。我が家の歴史を振り返る時、まぶしく光り輝く5日間になりました。

首里城階段

子供たちの胸に刻まれたはずの沖縄旅行

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