2回目の100マイル地元食旅行の行き先はどこにする?決め手は塩でした。沖縄はたぶん日本で一番海水塩を作っている土地です。そして、沖縄に行けたら、叶えてあげたい長男(6)の夢がありました。

今回は、旅行4日目のバーベキューでミーバイの塩釜焼きを作ったお話。

結婚しないと魚の塩釜焼きは食べられない?

「魚の塩釜焼きって結婚式の料理、お父さんとお母さんの時も食べたの?」

テレビで見かけたスズキの塩釜焼きの紹介を、長男(6)はどう理解したのか、結婚式で食べる料理だと思い込んだようです。

「塩釜焼き食べたいから、早く結婚したいな。」とまで言っています。

長男よ、結婚とはそういう動機でするものじゃないんだよ。でも、豪快でワクワクする不思議な魚料理を食べたいという彼の好奇心は大切にしてあげたかった。

「沖縄行ったら、魚の塩釜焼きが作れるかもよ。」

こうして2回目の100マイル地元食旅行の行き先は沖縄に決まりました。スカイツリー下のソラマチの塩屋(まーすやー)に並んでいた、沖縄県の地元の海水で作られた塩たち。沖縄は間違いなく、海水塩の王国でした。

塩屋
専門店 塩屋(まーすやー)
思いきって使える海水塩は見つかるか

北海道でも海水塩はあります。でも大量の塩を使う塩釜焼きを作るには少し高価すぎます。我が家で一番使っている岩内町の海洋深層水から作られた “星の塩” は、100gで400円ぐらい。1g4円です。沖縄でこれより安い塩を見つけないといけません。

地元で愛される沖縄のスーパー、サンエーの塩売場にも、たくさんの地元の塩が並んでいました。北海道と比べるとこれだけで楽園に見えます。でもほとんどの塩は、“星の塩” と同じぐらいの価格。旅行中に愛用した “ぬちまーす” も1g4円ぐらいでした。

ただ唯一、安かったのが、“沖縄の海水塩 青い海” でした。1g1円です。調べてみると、糸満(いとまん)沖2,000mの海水を機械化された工場で製塩しているのでコストが下げられているようです。たくさん使う塩釜焼きにはもってこいの塩でした。思い切って1kg買いました。

沖縄の海水塩青い海
沖縄の海水塩 青い海
とびきり新鮮なミーバイを塩で閉じ込める

沖縄に冬の寒さをもたらした北風で、海も荒れていました。漁師さんも船を出せないのか、第一牧志公設市場にも鮮魚は多くありませんでした。そんな中でも、新鮮な魚を並べてくれていた新垣鮮魚店で、ミーバイを買いました。ハタの仲間は白身魚で塩釜焼きに合うはずです。

ミーバイ
手頃な大きさのミーバイ

“青い海” 1kgに玉子の白身3個分を混ぜて粘土状にします。アルミホイルの上に塩を広げ、頭と尾と内臓とウロコをとったミーバイをのせて、上から残りの塩をかけ、大きな塊にしました。長男(6)と長女(3)は興味津々の様子で見つめています。

塩でミーバイを包む
たっぷりの塩を使ってミーバイを包む

この日もまた、“やんばる島豚あぐー” と牛小間肉のサイコロステーキを食べている子供たち。その横でアルミホイルに包まれたミーバイの塩釜が静かに焼かれています。妻と私だけのご馳走、イセエビの鬼殻焼きが美味しく焼き上がっても、塩釜焼きは完成しません。中が見えないので焼き加減がわからないのです。

イセエビの鬼殻焼き
イセエビの鬼殻焼きは大人の特権
塩釜を割って現れた真っ赤なミーバイ
焼き上がった塩釜
塩釜の中の焼き加減はどうか

途中、ひっくり返しながら30分ほど焼いたでしょうか。意を決して開いてみることにしました。ここでやっと子供たちが手伝ってくれます。しっかり固まった塩釜を、フォークでバンバンと叩いて割ってくれました。中から真っ赤なミーバイの皮が現れると、爽やかでふくよかな香りが立ち上ります。

焼き上がったミーバイ
ふっくらと焼き上がったミーバイ

よく塩を払って、ふっくらと蒸し焼きになった白身を長男と長女に取り分けます。一口目は2人らしく慎重に、味を確かめると二口目は口を大きく開けて食べます。

「おいしい!もっとちょうだい。」こんな遠くまで来てやっと作れた料理。嬉しい反応でした。

残り少ないミーバイを妻と私で分け合って食べます。塩釜の効果なのでしょう、南国の魚らしく淡泊であっさりした白身は、持ち味を少しも逃がさずにしっとりと焼き上がっています。沖縄の海の恵みを凝縮したワイルドですが繊細な味です。

KARINの庭の子供たち
最近、普通の顔で写真を撮らせてくれない子供たち

だけど、食べ終わった後で、塩釜を捨てる時の罪悪感は相当なものでした。1kgも塩があれば、1か月以上も生きていけるのに...この料理は特別な日だけにとっておきます。

 

材料とレシピ
  • ミーバイ 沖縄本島 不明
  • 沖縄の海水塩青い海 1kg 糸満 20mile
  • 玉子の白身 3個分 名護 10mile
  1. ミーバイはウロコとはらわたを取って水でよく洗い、頭と尾を切り落とす
  2. 塩と玉子の白身を混ぜて粘土状にする
  3. アルミホイルを魚の3倍の長さで2重にしく
  4. 2の1/3の量を、3の上に魚より少し大きなサイズに広げる
  5. 4に1をのせ、2の残りをかけて、すき間ができないように丸め、アルミホイルを折り畳んで包む
  6. 強火の炭火で10分ほど焼き、ひっくり返して再び10分焼く
  7. 炭火との距離を離して弱火にし、10分ほど焼く
  8. 塩釜が固まっているのを確認して完成

※食べる時は、塩釜を叩いて割って、身に着いた塩をよく払ってから食べる