©100マイル地元食
EPISODE #123
【妻の回×ストーリー】大ピンチ!挑戦が続けられない
母親は家族の健康のバロメーターを把握しているものです。
常に同じものを食べ、同じ時間を過ごしている今の我が家。みんなが健康かどうか、見ていればすぐにわかります。今週の妻の回は、体調を崩して改めて感じた、食生活の大切さのお話です。
長男と長女は、食欲があるかどうか。旦那は、部屋で着ている服で判断できます。基本、家の中ではTシャツ短パンに素足です。外が氷点下の冬でも変わりません。そんな旦那が、家の中でトレーナーや長ズボンを履きだしたら体調の危険信号です。とは言っても、たいていは1日寝込んで次の日には別人のように元気になってしまうのですが。
シェアキャベツパーティーが終わり、子供たちを寝かせると、旦那がなにやら着込み始めました。疲れが出ただけかな、と、その時は軽く考えていたのですが、まさかあんな長期戦になるとは思ってもみませんでした。
結局、夜中に熱が出た旦那は、それから1日半寝込みました。それでいったん回復したと思ったら、今度はお腹が痛いと。そうこうしているうちに、今度は私が熱を出してしまい、夫婦で寝込むことに。お腹が痛くて動けない旦那と、高熱で動けない私。結婚してから夫婦同時に倒れるのは初めてでした。
大人は動けないけど、子供は元気。夫婦で2階の寝室にこもって寝込んでいると、下の階で遊んでいた子供たちの声が聞こえてきました。
「お母さん、お腹すいたー!」
2人で顔を見合わせます。どちらの方がまだ動けるか、顔色の探り合いです。この時は旦那が折れてくれました。なんとか子供たちにご飯を準備して戻ってきた旦那と、話し合いが始まります。
「これはちょっと無理だよね...」
100マイル地元食の挑戦を始めてから早や5カ月。緊急事態につき、一旦挑戦を中断することになりました。この日は、ピザの出前を頼んでなんとかやり過ごすしかありませんでした。
私は高熱なのに授乳しているので脱水症状気味、頭痛とめまいがひどいです。旦那はお腹が痛いと、布団とトイレをひたすら往復しています。長い1日になりました。
「明日は頑張ってコンビニに買い出しに行ってくるよ。」
旦那の弱々しい、でも頼もしい一言でした。
結局、出前のピザとコンビニ弁当だけで4日間も過ごすことになりました。ちょっとずつ体調が戻って、余裕が出てくると、家の中の惨状にまた違っためまいを覚えました。散らかった服、積み上がったコンビニご飯のゴミ、そして塩分の摂り過ぎで、パンパンにむくんだ長女の顔。
100マイル地元食の生活を始めてからは、ぜんぶ自分で目で見て、手で触れて、確かめた食べ物だけを食べるようになりました。家族が何をどれぐらい食べているのか、すべて把握できている安心感は、とても大きなものです。食べ物を買うときは、必ず裏側の原材料を確認するようになっていました。
それが、4日間だけとはいえ、コンビニご飯に変わった瞬間に、自分たちが口にしている物が、いったい何なのか分からなくなりました。なぜ使われているのかさっぱり分からない原材料ばかりでした。
今年の6月、100マイル地元食への挑戦は1年間限定という話だったので、私もすんなりゴーサインを出しました。1年間の我慢なら、まぁ少しバカげた事でも耐えられるかな、と、それぐらいの軽い気持ちでした。いざ新しい食生活に慣れてくると、果たして1年で終わらせてしまっていいのだろうか、と正反対の気持ちが生まれてきています。
今回、4日間も中断してみて、その想いはさらに強くなりました。最近の我が家での台所会議で、仕事が忙しくなってくる来年以降(そうなってくれないと困るのですが...)、どうやって100マイル地元食を続けていくか、よく話し合っています。
最近は、日に日に100マイル圏内の野菜がスーパーから消えていっています。厳しい冬を越えるのに精いっぱいで、もしかしたら春になって「早く終わらないかな」なんて考えているかもしれません。
でも、少なくとも今は、何とかして来年のゴール以降もこの生活を続けたい、そう思っています。