©100マイル地元食
EPISODE #145
【沖縄旅行×妻の回】長女のための黒砂糖クレープ
100マイル地元食ルールの沖縄旅行の2日目です。私と旦那は、まだ見ぬ沖縄の食べ物に興奮気味ですが、子供たちの反応はそうでもありませんでした。特に難しい年ごろの長女(3)はスタートでつまづいてしまったようです。
今週の妻の回は、ご機嫌斜めの長女(3)のお話です。
「お母さん何作ってるの?」
私が台所に立っていると長女(3)は決まって聞いてきます。それは遠く沖縄まで来ても同じでした。「おやつのクレープだよ。ちょっと味見してみる?」 朝ご飯の準備より先にクレープを焼いていた私、長女はお腹が空いていたのでしょう。
貸別荘にはオーブンレンジもあったのですが、バターが手に入らなかったのでクッキーは焼けません。泡立て器が無いので、ホットケーキも作れません。それならと、例外ルールで持参した薄力粉で簡単に作れるクレープを、移動中のおやつのために焼くことにしました。
普段と違うのは、いつもの白いお砂糖ではなく、黒砂糖で作っているということ。長女もいつもと違う気配を感じたのか、警戒しながら一口だけ味見しました。口に入れるや否や「いらない」と、眉間にシワを寄せた怪訝な顔で私を睨み付けます。
前日の疲れが残っているからなのか、この日の長女はご機嫌斜めでした。こんな日は全てが嫌になるようで、旅行2日目の朝ごはんもほとんど口にしません。まぁ、私が水加減を間違えて、ずいぶんと硬いご飯が炊き上がってしまったせいかもしれませんが。
そんな不機嫌な長女を横目に長男(6)はお構い無し、今回の旅行で楽しみにしていた美ら海水族館のことで頭が一杯です。長男は生き物が大好きです。特に海の生き物は好きなようで、いつも某アイドルグループが魚を獲ったり、外来種を獲って食べる番組は、何回も繰り返し観ています。
「水族館には何がいるかな?サメいるかな?カメは?」
初日の疲れで寝坊したことと、お弁当作りで出発が遅くなりました。なので、水族館に着く前に車中でお昼を済ませる事にします。
でも、ここでまた問題が。長女が何も食べようとしないのです。お昼ご飯のために作ったおにぎりは、豚のしょうが焼きを入れたものと、スーパーで買えた乾燥アオサと塩で作った旦那特製ふりかけをかけた2種類です。
でも、どちらも一口食べては「いらない」と、 お決まりの怪訝な顔です。札幌での100マイル地元食での長女のお気に入りは、しゃけ節と塩をまぶした通称「かつお節おにぎり」。実は、長女はまだ、しゃけ節をかつお節だと信じています。
彼女の年齢では、いつもと違う食べ物を食べたがらないのも無理はありません。ただでさえ機嫌があまり良くないのに、普段と違う食べ物ばかりが出てきたことで、長女の怒りは爆発寸前です。
「お昼食べない、水族館行く。」 頑固者の私と旦那の子なので長女ももちろん頑固です。まぁどうしてもお腹が空いたら何か食べるだろう、と諦め気味の私に対して、朝からほとんど食べてない長女に旦那は心配そうです。
「気が変わった時のために、クレープとおにぎりも持って行こう。」 すでに長女と次男(0)のオムツと着替え、それに水でパンパンの私のリュックサックがさらに重くなりました。次男は旦那に抱っこしてもらい、ようやく美ら海水族館に入りました。
水族館は平日にも関わらず、多くの観光客で賑わっていました。長男の影響で私も随分と魚には詳しくなりましたが、やっぱり場所が変われば魚も変わるもの、見たことのない魚が沢山泳いでいます。
運良く大きな水槽で餌やりが始まり、水槽が色とりどりの魚たちで埋め尽くされます。長男と長女はちゃっかり最前列に座り水槽にへばりついて見ています。楽しそうな子供たちの姿を見ていると、色々あったけど沖縄まで来て良かったなぁ、と素直に思えます。
でも少し心配なのが長女の空腹。楽しそうな子供たちを見ながら不安半分、嬉しさ半分の複雑な気持ちです。さてさて、夜ご飯は何を作れるかな。そして長女は果たしてちゃんと食べてくれるかな。落ち着かない母です。