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EPISODE #210
【キャンピングカー旅×妻の回】ハートが詰まったビックリパウンドケーキ
「ねぇお母さん、おやつはあと何を持ってきたの?」
長女(3)がこんな発言をする時は、目の前に出されたおやつを食べたくない時です。そんな時、取り出したのはとっておきのおやつでした。
今週の妻の回は、キャンピングカー旅編の第4話、ハートが詰まったパウンドケーキのお話です。
100マイル地元食ルールのキャンピングカー旅行も2日目に入り、未だに少しずつしか食べさせてもらえない手作りのおやつに、長女(3)は段々と不満顔になってきていました。
そんな時のために、今回とっておきのおやつを作っていました。旅行のために作ったおやつは、ポップコーンにポテトチップス、マフィンにボーロです。
これとは別に隠してある、とっておきのおやつとは、随分と前に料理番組で観た、長女いわく「ビックリパウンドケーキ」。パウンドケーキの断面にハートが現れるケーキです。
毎回、素敵なお菓子とそれにまつわるストーリーを紹介するそのTV番組を観てからというもの、長女に何度も作ってとリクエストされていたのですが、なかなか手間がかかるので先延ばしになっていました。
今回の旅行の計画が決まった時から、私は密かにこの「ビックリパウンドケーキ」を作ってあげようと決めていました。それは単純に子供たちを喜ばせたいからという気持ちでした。
切ると中からハートが現れるビックリパウンドケーキ
だけど、長女がぐずった時に機嫌が良くなるものを作っておきたいという気持ちもありました。子供たちが不機嫌になったらコンビニでおやつを買うなんて、100マイル地元食旅行では出来ないことですからね。
ビックリパウンドケーキの作り方はまず、濃い紫色をしたベリーのアロニアのパウダーで色を付けたパウンドケーキを1台焼きます。あら熱が取れたら薄く切って、ハート型のクッキー型を使っていくつもハートの形をくり貫きます。
そして、またもう1台分のパウンドケーキの生地を用意して型に半分流し込んだら、くり貫いたハートを横に連なるように並べて上から残りの生地を流し込みます。
オーブンで35~40分蒸し焼きにしたら完成です。外見は普通のパウンドケーキ、切るとハートが現れる、びっくりパウンドケーキです。
出発前にお菓子をいっぱい作らなくちゃいけないのに、何やらせっせとパウンドケーキを焼いたり切ったりしている私を見、旦那が言います。
「なにそんなめんどくさいのを今作ってるの?」
なんとも冷ややかな反応でした。まぁごもっともな意見ですが、我が家の旅行が平和に楽しく進むためには必要な事です。
既に作ってきたマフィンをほとんど平らげ、ポテトチップスを食べる気分ではない長女に秘密にしてあったビックリパウンドケーキを早くも披露することにしました。
大人用のお皿にはせっかくなので、前日に「はせがわファーム」で買ったエディブルフラワーを周りに並べます。完全に女子好みの素敵なおやつが完成しました。
はせがわファームの思い出を添えて
本当はハーブティーを目当てに訪れた「はせがわファーム」でしたが、長谷川さんご夫婦にハウスの中に案内してもらうと、そこはもう楽園のようでした。
暖かいハウスの中に広がるほのかな蜜の甘い香り、一面に広がる色とりどりのお花。そして何より物腰の柔らかい笑顔の長谷川さんご夫婦。これからハーブティーを飲む度に、この素敵な光景が目に浮かびそうです。
華やかなお花に囲まれた少々地味な色のパウンドケーキを、背中の後ろに隠して子供たちの前に立ちます。
「お母さん、実はすごいおやつ作ってきたんだ。」
もったいぶって言うと、素直に子供たちは食い付いてくれました。
「え!なになに!?」
「ジャーン!」
「はぁ!ビックリパウンドケーキだ!」
狙い通り長女はそれまでの不機嫌さも吹っ飛び、キラキラと目を輝かせながら喜んでくれました。長男は色の付いたハートの部分をチョコと勘違いしたのか、
「それチョコ味?ならいらない。」
となんとも渋い反応でしたが、味は変わらないよと言うと恐る恐る口にしてくれました。
「ん!美味しい!」
やりました。長女は既に2個目を食べ始めていて満面の笑み。まぁ、こういう時ぐらいボロボロとキャンピングカーの床に落ちたパウンドケーキのくずは気付かないことにします。
長女の不機嫌も吹き飛びました
せっかくの旅行、なるべくみんな笑顔で過ごしたいものです。と思っていてもいつもの癖でついつい小言を言ってしまうのですが。今のところ予想外に順調に進んでいるこの旅行、果たしてこれからどうなるか。とりあえず、おやつ作戦で今のところ順調です。
アロニアハートのビックリパウンドケーキ
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