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【十勝旅行】塩をめぐる気持ちのぐるぐる

EPISODE #44

【十勝旅行】塩をめぐる気持ちのぐるぐる

2017.8.11

十勝旅行

塩が無い。またここから始まるのか。楽しいはずの十勝旅行の初日、振出しに戻った我が家のチャレンジ。車内の空気が重くなります。

我が家が見つけた、100マイル地元食ルールで買える塩は、全て札幌より西側の海で作られたものです我が家から東側の十勝に旅行にいくのでは、この塩たちは範囲外になってしまいます

十勝の塩が見つかる可能性は、ほとんど無い。再び、例外ルールに頼ることになりました。

十勝に唯一無い食材は塩

十勝にも海はあります。十勝平野の南東方向には太平洋に面した海岸線が伸びています。海水はある、問題は塩を作っている人がいるかだけ。事前に旅のプランを立てる時、この問題に気が付いていました。

ネットで情報を探します。「十勝には塩が無い」「食材王国十勝で唯一無いのが塩」そんな言葉ばかりが現れます。ある新聞のニュースでは、2014年から、十勝の商工会や信用金庫が連携して、初の地元の塩を開発する「十勝産しお造りプロジェクト」を立ち上げたという情報もありました。

逆に、こんなプロジェクトがある背景には、元から地元の塩が無かったことの証明になります。そして、この期待のプロジェクトもまだ始まったばかり。商品の情報が出てこないことから、まだ塩ができていないのかもしれません

それに、中札内村を中心にした100マイル範囲内の、日高地方や、釧路から先の道東地域でも海水塩の情報はありませんでした。

100マイル地元食旅行の例外ルール

普段は食べられない範囲外の美味しい食材を、気兼ねなく食べるために旅行に行く。これが今回の100マイル地元食旅行の目的です。3泊4日の間、塩が無くても死なないかもしれません。でも、食べる食べ物は美味しくありません。それなら旅行に行く意味がなくなります

それなら海水を汲んで塩を作ればいいじゃない。海水塩作りは、潮通しが良く、近くに町や川が無い、岬の岩場で海水を汲み、半日以上煮詰めないとできません。それでは、旅行の半分ぐらいが塩作りで終わってしまいます

こうなれば、例外ルールを作るしかない。それが我が家が至った結論でした

我が家で普段食べている100マイル範囲内の食材の内、1つだけ、旅行に持って行ける

 

家にストックしてあった、岩内町の星の塩を荷物の中に押し込みました。ズルをしているような罪悪感があって、すっきりしません。できれば旅の途中に、十勝の塩が見つかって欲しい。それなら、この塩はただの要らぬ心配で済みます。

南富良野で見た現在進行形の災害復旧

我が家から十勝平野の南西の端にある中札内村には、真っ直ぐ行けば、便利な高速道路を使って、3時間ほどです。しかし、この日は、富良野に寄っているので、2時間追加して5時間の運転。いつものことで、家族も長時間の移動には慣れっこです。

途中、南富良野のあたりで、道路工事が多いことに気付きました。昨年2016年の夏、北海道には過去に例が無いほど台風が続けて上陸しました。そのうちの1つ、台風10号による大雨で、空知川が氾濫し、町や田畑が被害を受けました。山間の道も川のようになったのでしょうか。今も復旧のための道路工事が続けられているのでした

災害は一瞬ですが、その影響に悩み、元通りにし、そこからまた前進するには、多くのエネルギーと長い時間が必要です。地元で起きた大きな災害でも、自分の目で見なければ、本当の意味での深刻さはわかりません。川の近くの畑に、今年も何かが育っているのを見れたことが救いでした。

やっぱり無かった十勝の塩

十勝平野に入ってから、道の駅、大型スーパー、百貨店に立ち寄りました。でも、やはり十勝産の塩は見つかりませんでした。時間はすでに17時ごろ、これから海に出て海水を汲んでいる時間はありません。持ってきたお弁当は車内で食べ切っていますので、すぐにでも夕飯を作らないといけません。

あいにくの雨に濡れてしまった夕暮れの薄暗い森の中、やっと到着した中札内農村休暇村フェーリエンドルフのコテージは建っていました。2階建てのドイツ民家風の建物で、中も清潔で素晴らしい設備です。ですが、喜んでいる余裕はありませんでした。

富良野でかった米を炊き、豚肩肉の塊の塩焼きだけを作って食べます。塩は我が家から持ってきた星の塩です。すじを取っても焼いた肩肉はガチガチに硬い。文句を言う口数も少なめに、この日はすぐに2階の寝室のベッドに潜りました。

明日からは、もう少しだけ楽しく美味しいものが食べたい。そう願いながら1日目が終わるのでした。

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