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【ストーリー】中から見た直売所の正しい楽しみ方②

EPISODE #108

【ストーリー】中から見た直売所の正しい楽しみ方②

2017.11.10

ストーリー

直売所での買い物は一瞬で終わります。だけど、直売所の売り場は、多くの農家さんやスタッフが携わることで、朝の開店前から夜の閉店時まで、刻一刻と変化しています。

直売所は、生き物なのかもしれません。正しく接することで、直売所は愛を持って応えてくれます。今回は、直売所の正しい楽しみ方の2回目です。

新しい野菜が並ぶ時間は2回来る

午前中のピークタイム

午前中のピークタイムが過ぎてから、直売所の売り場の野菜はすっかり減っていました。そろそろ、どこかで昼ご飯を食べたお客さんが売り場に来る時間です。お客さんがっかりするかな...そんな時、農家さんが1人、また1人と商品の補充に来るではありませんか。

直売所では、朝一に野菜を並べたら、もう終わりだと思っていました。1人の農家さんに聞いてみました。商品が売れてレジを通過すると、農家さんに1時間ごとに売れ行きのメールが届くそうです。だから、売れた分だけ、午後一に補充に来れるのです。

特に、商品の陳列数を多くできない、白菜やキャベツなどの大きな葉物野菜は、午後一に再補充されることが多い。一方で、じゃがいもや長いも、カボチャなどは日持ちするので、再補充は少ない。なので、昼過ぎの直売所では新鮮な葉物野菜が買えるのです。

美味しい野菜をどう選ぶか

直売所では、同じ野菜を出品する農家さんが何人もいます。白菜を並べているのが3農家、キャベツが4農家、特産品の長いもは10農家。そんな時、何を基準に選べば良いのでしょうか。よく、価格だけを基準に選んでいるお客さんがいます。でも、それだけではもったいないのです。

例えば、白菜。漬け物に向く肉厚で大玉のもの。生でサラダにできる軟らかくて小玉なものもあります。長いもなら、秋に掘ったばかりの新物は歯応えがあるから刻んで食べると美味しく、昨年育って、土の中で越冬した春掘りは、熟成されてねっとり甘いのでトロロ向きです。

5農家さんの長いも

実は、農家さん達も、独自性を出すために少しずつ差があるものを出品しています。だけどポスターで特徴を説明するもの苦手な口ベタな方も多い。そんな時は、勇気を出して直売所のスタッフに聞いてみることをお勧めします。

スタッフは何でも知っている?

直売所のスタッフは、毎日、農家さんと商品の話をしています。だから、農家さんの育て方のこだわり、あの農家さんとこの農家さんのキャベツの違い、おススメの食べ方まで知っているのです。あの農家さんは話が長いとか、息子さんが嫁を探してるとか、そんなことまで教えてくれるかもしれません。

私も売り場でお客さんとお話するために、まずは農家さんから商品の特徴を聞き出す努力をしました。農家さんも、自分で育てた商品について聞いてくれるのは嬉しいようです。ですが、そんな中で私も悩んでしまった質問がご家庭での保存方法です。

白菜は、水気が多いから3日間陰干ししてから冷蔵庫に入れる。長いもは、切り口にラップをしておがくずに入れて冷暗所で保存。言いたいことはわかるけど、家庭でできることは限られています。だったら保存は農家さんに任せることにして、食べ切れる量を頻繁に買いに来ましょう。

直売所にはいつも、農家さんが自宅で保存した最良の状態の野菜が並んでいます。これが一番確実です。

早起きして何度も通ってみよう

夕暮れ時の直売所

時刻は、あっという間に午後4時です。山間のルスツでは4時を過ぎれば空が暗くなります。午後5時の閉店までの1時間。お客さんもまばらです。売り場にはまだ商品が並んでいます。普通のスーパーなら、1割引き、2割引きのシールが貼られる時間です。

でも、直売所では閉店間際の値引きはありません。直売所は、農家さんの商品を預かっているだけ。だから、農家さんの商品を勝手に値引きして売る事ができないのです。直売所で良い買い物をするには、やっぱり開店直後か、昼過ぎの2回目の補充後がおススメです。

直売所の売り場は、一見、普通のスーパーと同じように見えますが、裏側の仕組みは全く違います。だからこそ、直売所には独自の楽しみ方があります。ここ好きだな、と惚れ込んだ直売所には何度も足を運んでみる、これこそが正しい楽しみ方かもしれません。

閉店間際の直売所

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