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【ストーリー】鮭が背中を押してくれた親子の会話

EPISODE #90

【ストーリー】鮭が背中を押してくれた親子の会話

2017.10.17

ストーリー

両親が横浜に帰ってしまう最終日。千歳川に帰ってくる鮭に出会いに、向かったのは千歳水族館でした。孫を中心に遊びまわった3日間。

親子の会話が少なくても、伝わるものはあります。今回は、3世代で楽しんだ旬の鮭と、これからの挑戦に向かう想いの話。

サケのふるさと千歳水族館へ

横浜に住む両親が札幌に遊びに来て3日目。今日は、飛行機で帰る日です。新千歳空港まで家族全員で送ります。ついでに立ち寄ったのは、千歳市にあるサケのふるさと千歳水族館でした。厚田の朝市で買って食べた鮭について勉強するためです。

この水族館は千歳川に面して建てられていて、窓から川の中が見られる水中観察ゾーンがあり、運が良ければ遡ってくる鮭が見られます。100マイル地元食に挑戦して素晴らしいことの一つに、食べ物が生きている場面が地元で見られることがあります。

両親が飛行機に乗る最後の最後まで、孫3人と一緒に過ごしてもらいます。この水族館が大好きな長男(6)と長女(3)は、じじとばばの手を引いて、1つずつ水槽を見ていきます。私たちが食べた白鮭から、カラフトマス、サクラマス、銀鮭、紅鮭と様々な鮭を見ていきました。

帰ってきた鮭が見たい...

この水族館には、これまで3回訪れていますが、水中観察ゾーンで自然の鮭が見られたのは1回だけです。この日は、正に鮭が遡上する時期です。高まる期待を胸に、魚が泳ぐ神秘的な映像が映し出された長い廊下を下りていきました。

最後の階段を下りると、そこは千歳川の中が覗けるガラス窓です。残念ながら、泳いでいたのはウグイの群れだけでした。今年の秋サケ漁は、不漁だった昨年の同時期を更に4割下回っているそうです。帰ってくる鮭が年々減っていることも、見られなかった理由かもしれません。

両親が来た3日間を、勝手に鮭ウィークと考えていた私は、鮭の遡上を見る事を締めくくりのエピソードにしたいと勝手に考えていました。当てが外れて気落ちする私。ですが、子供たちは全く気にしていません。「あ、いないんだね。また来れば?外の滑り台行こう。」

両親からのメッセージ

子供たちがニコニコしていれば、両親も楽しそうに見えます。わざわざ遠い札幌まで来てくれた両親は、この3日間を本当に楽しんでくれたのでしょうか。走り回って、料理ばかりして、今回はゆっくり話す時間はありませんでしたが、後日、両親からLINEでメッセージをもらいました。

「はじめは、会社を辞めて、3人目の子供を産んだ直後の妻まで巻き込んで、無謀な挑戦を始めて、正直心配していました。」

「それでも、一緒に美味しい地元のご飯を食べて、孫たちの自然な笑顔を見たら、ぜんぜん大丈夫だとわかりました。一生懸命応援するよ。」

言葉を尽くして説明するよりも、一緒に体験してもらうことが一番だったようです。

自信を持って言える 楽しいです

100マイル地元食の挑戦の説明をすると、話を聞いた皆さんは、「なんか大変そう」「え、食べる物あるの?」「うちには絶対無理~」という反応をします。ですが、挑戦している我が家は、今までよりも笑顔が増え、心身ともに健康になったと感じています。

今なら「なんでそんな事するんですか?」と問われても、「ちょっとだけ体験してみませんか?」と自信を持って言えます。このライフスタイルの目的は、まず我が家が幸せになること。そうでなければ、他の消費者は共感してくれないし、その先にいる生産者さんを幸せにすることはできません。

両親が帰った後、ちょうど出来上がった塩イクラの味見をしながら、少しだけ今後のことを考えていました。余計な味を付けないことで、初めて素材本来の味を楽しむことができる。イクラであっても、食生活であっても、そして人生であっても、共通の楽しみ方です。

もう少しだけ自信を持って、そして勇気を出して、このライフスタイルを世の中に広める努力をしていきたい。まだ大洋を目指したばかり。生まれた川に戻る頃には、もっともっと大きく成長しているでしょうか。

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