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【沖縄旅行】最大の試練は初日の夕食

EPISODE #144

【沖縄旅行】最大の試練は初日の夕食

2018.2.2

沖縄旅行

100マイル地元食ルールでの旅行の最大の試練は、何も食材が手元に無い初日の夕食です。十勝旅行では、固い豚肉の塩焼きとご飯だけで、来るんじゃなかったと後悔しかけたほどです。さて、2回目になる沖縄旅行の初日はどうか?

今回は、沖縄旅行編の2話目。やっぱり試練だった旅行初日のお話です。

いきなり例外ルールを追加することに

新千歳を飛び立った機内、手にしたおにぎりを眺めていて気が付きました。このおにぎりは、札幌から100マイル内の食材で作られているから、南に飛べば範囲を越えてしまいます。旭川のぬまんちさんのお米だから、南に25マイル(40km)も飛べば範囲外になります。

背に腹は代えられません。止むを得ず、新たな例外ルールを作ることにしました。「長距離旅行では、持参した調理済みの食べ物だけは範囲を越えても食べられる。」 出鼻をくじかれたことで、南の島への旅行で浮ついていた気持ちが引き締まります。少しずつ大切に食べることにしました。

あっという間のフライトの後、那覇空港に到着しました。薄手のウインドブレーカーに着替えたけど、これじゃ暑いかな。汗ばむ陽気を期待して飛行機から飛び出します。あれ、寒い。思い描いていた南の島の気候とは程遠い、しっかりとした冬の気温でした。

冬の寒気とウチナータイム

我々の沖縄入りに合わせて、強い寒気が南下して沖縄本島をすっぽりと覆っていました。最高気温でも10℃いくかどうか。冷たい雨のせいで体感気温はさらに低く感じます。不安定な寒気の気流で1時間ほど遅れたフライト。急いでレンタカーを借りに行きます。

レンタカー屋さんは、沖縄らしいかりゆし姿で、ニコニコと対応してくれます。でも、国内外からの大勢の観光客が並んでいる受付、手続きの進みはゆっくりです。これが沖縄時間(ウチナータイム)でしょうか。すでに宿泊施設のチェックインの時間を過ぎています。

強まる冬の雨と次第に薄暗くなる空に焦りながら、本島を1時間ほど北上し、恩納村(おんなそん)にある貸別荘KARINに向かいました。泊まる場所の確保も重要ですが、同時に重要なのが食料の調達です。途中立ち寄ったサービスエリアで、地元のミネラルウォーターと、海水から作られた自然塩の “ぬちまーす” を買うことができました。これで、脱水症状で倒れる事態は回避できます。

沖縄のミネラルウォーター

沖縄はミネラルウォーター天国

空腹に耐えながらの夜の食材調達で

貸別荘に着いて、管理人さんから鍵を受け取れたのは午後6時を回った頃でした。辺りは真っ暗です。ここからが、100マイル地元食旅行の最初で最大の試練でした。それは初日の夕飯です。今、手元にあるのは水と塩、それと例外ルールのおにぎりが3つだけです。さすがにこれだけでは足りません。

恩納村は沖縄本島中央部の西海岸にあるリゾート地。沖縄料理の食堂やアメリカンスタイルのステーキハウス、コンビニだってあります。でも、地元食材を売っているスーパーはほとんどありません。目指したのは、車で北東に30分走った先の名護市の大型スーパーでした。

サンエー

沖縄で愛される地元スーパーのサンエー

空腹に耐えながら沖縄の地元スーパーのサンエーにやっと到着したのは午後7時過ぎ。ヘトヘトになって入った店内は、私たちには楽園に見えました。入口近くの青果物売場には、レタスにトマト、ショウガに紫芋と、地元の野菜がたっぷり並んでいます。

地元の黒豚、牛乳、玉子、ビンナガマグロの刺身まであります。他にも、当たり前のように黒砂糖やシークワーサー果汁なんてものまで。遠い南の島まで来れた実感が初めてあふれ出し、喜びに震えます。

もう一軒立ち寄ったイオンでは、恩納村から北に30マイル(49km)の伊是名島(いぜなじま)で作られたお米も買えました。沖縄でも米は作られているという噂は聞いていましたが、実際に買えるなんて本当に幸運でした。これで飢え死には免れました。

沖縄100マイルの初めての料理は

貸別荘に戻れたのは夜9時になった頃、自宅であれば子供たちをとっくに寝かせ終わっている時間です。でもこの日は、今から夕飯作りです。キッチンと調理器具は本格的で全く問題ありません。キッチンの良し悪しで泊まる場所を選んだのですから当然です。

いくら探しても見つからなかった沖縄の地元の油は諦めて、脂たっぷりの豚バラ肉を代わりに使います。1cm厚に切ったバラ肉をフライパンでじっくり温めて、溶けた脂を広げます。作ったのは、100マイル地元食では一番作りやすい、塩味の豚しょうが焼きです。

脂身

油が無ければ脂身を使えばいい

シンプルな料理ですが、使っているのはいつもと違う、沖縄の黒豚、自然塩 “ぬちまーす” 、黒砂糖と地元のショウガです。ご飯を炊く時間は無かったので、例外ルールで残った北海道産のおにぎりを、妻と長男(6)、長女(3)と私で分けて食べます。

しょうが焼き

無難な味がクセになる黒豚の塩しょうが焼き

十勝旅行でも苦労した100マイル地元食旅行の初日の洗礼。やはり今回も大変な思いをしましたし、同じような料理を食べています。でもあの時より少しだけ楽しめたのは、沖縄の豊富な地元食材とちょっとした料理の工夫のおかげでしょうか。でも何より、大変な先には必ず喜びがあるという気持ちの余裕に助けられたのかもしれません。

こうして沖縄を舞台にした、現地調達、現地調理の行き当たりばったり100マイル地元食旅行が、無事にスタートを切りました。

 

※ショウガ焼きのレシピは、混ぜて焼くだけなので割愛します。

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