©100マイル地元食
EPISODE #102
【食材調達】ぬまんちの新米できたって!
旭川の米農家さん、ぬまんちの沼澤さんから、「新米準備できました。」のメッセージ。稲刈りを見学できたあの田んぼで採れた新米です。
せっかくだから、家族で買いに行こう!1年に1度の特別な日。旭川に向かう車の中で、お米のことをいろいろと考えていました。今回は、ぬまんちの新米に再会したお話。
稲刈りを見れた田んぼのお米が食べたい。当たり前で、簡単な願いのようで、実現するのは本当に大変でした。そんな時、助けてくれたのがぬまんちの沼澤さんご夫妻でした。色付き始めた山の木々の下、トンボが舞う水田で見れた稲刈りは光り輝いていました。
でもあの時は平日だったので、妻や子供たち3人を連れていくことができませんでした。それなら、新米を買いにみんなで行ってみよう。父親の気まぐれで食材調達に出かけるのにすっかり慣れている家族。お弁当を作り、車内で観るDVDを選び、時間通りに出発です。
旭川までは、高速道路があるので2時間の快適な運転です。子供たちはウルトラマンのDVDに夢中です。私は、これから受け取るお米のことを考えていました。事前にお願いしておいたお米は、ななつぼし玄米30kgを2袋、合計60kgで、つまり1俵でした。今回は、気合の入り方が違いました。
妻と何kgの米を買うか相談した時、我が家が食べているお米の量を改めて計算してみることになりました。100マイル地元食の挑戦を始めた6月1日から、9月末の4カ月の間に食べたお米は、だいたい40kg。半年で1俵、1年で2俵も食べる計算です。
大人2人、幼児が2人、乳児が1人の5人家族です。1年で2俵という量は多いのか、少ないのか見当がつきません。とりあえず、日本人のお米の平均年間消費量を調べてみました。結果は、1人当たり54.4kg/年(※)。幼児2人で大人1人分と考えると、どうやら我が家は平均以下のようです。
我が家は朝ごはんが食パンで、昼や夜に麺を食べることもあり、小麦もしっかり食べています。「もっとお米を食べよう!」というキャンペーンは、「輸入の小麦じゃなくて、国産のお米を食べて、日本の農家さんを助けよう!」という意味です。
でも、我が家の100マイル地元食では、両方とも地元産だから、どちらにせよ地元の農家さんを助けることになっています。もっと小麦を作る農家さんが増えれば、ご飯と同じようにパンも麺も大好きな日本人の食生活に合うはずなのに...たぶん、そうはならない大人の事情があるのでしょう。
※「最近の米をめぐる状況について(農林水産省、平成29年9月)」より
妄想はお米の食べる量にとどまらず、小麦にまで及んでいました。こうなれば2時間なんてあっという間です。沼澤さんとの待ち合わせ場所は田んぼです。当たり前ですが、全て刈り取られた、何も残っていない田んぼ。紅葉も散り始め、少し寂しい冬の雰囲気です。
あまり田んぼを見たことがない長男(6)とあぜ道を散歩していると、沼澤さんの軽トラックが来てくれました。来たー!喜んで走り寄る長男と私。初対面の妻と子供たちを紹介します。軽トラックの荷台には、大切に毛布にくるまれた、大きな紙袋が2つ載っていました。
ありがとうございます!ウキウキしながら我が家の車に積み込もうとします。これが本当に重たい。今まで持った一番重たい食べ物であることは確かです。作業中にも関わらず来てくださった沼澤さんご夫妻から、お米が採れた水田で、まさにその新米を買う。これは我が家にとって特別な体験になりました。
こんなにしてもらって、大感激している私たち。ですが、沼澤さんは、大根や自家製のトマトソースのお土産までくれました。そうか、やっぱり農家さんにとっても、消費者が直接来てくれるのは嬉しいんだ。農家さんも消費者も、お互いに嬉しいお米の買い方を見つけました。
帰り道、近くの深川の道の駅、らいすらんど深川に立ち寄りました。地元の野菜はもちろんですが、幸運にも珍しい果物を見つけました。マルメロです。カリンによく似た果物で、生では食べられませんが、ジャムや果実酒にできるそうです。迷わず買いました。
さて、ついに買うことができた、我が家の「会いに行ける農家さん」の新米の玄米。どうやって精米するのか、どう食べるか、どのぐらい美味しいのか、もう我慢できません。これから6カ月の間食べる事になる1俵のお米。毎日の食卓がまた楽しくなるはずです。