©100マイル地元食
EPISODE #64
【お料理】ドレッシングが我が家に来た
本来、人間は生野菜が好きじゃない。だからドレッシングをかけるんだ。
昔、あるマンガで読んで、ずっと頭に残っていた言葉です。ここ3カ月、我が家でも同じことを感じていました。逆から言うと、ドレッシングが無い生野菜は好きじゃない、ってこと。
今回は、十勝旅行であの食材に出会ったからこそできた、久々の酸っぱいサラダのお話。
100マイル地元食を始めて3か月、生野菜をどう食べるかがずっと私と妻の課題でした。最初の1か月、お義母さんが教えてくれたのが、レタスやキュウリに軽く塩と油をかけて絡めておき、少ししなっとしてから食べるやり方。これは生のままより食べやすくて助かりました。
ですが、だんだんと味が欲しくなっていきました。それはやっぱり酸味。数十年もドレッシングをかけてサラダを食べてきたんです。お酢の酸味がないとしっくりきません。トマトを刻んで野菜全体に絡めたり、時には、水切りヨーグルトの切られた水、酸っぱいホエーを使ってみたり。どれも長続きしませんでした。
お酢お酢お酢、ずっと思い焦がれていました。
そんな時、出会いは突然にやってきました。夏のビッグイベント、100マイル地元食ルールでの十勝旅行の最終日に、幕別町の十勝ヒルズを訪問しました。そこで、十勝ヒルズオリジナルの地元の豆や長いもだけを原料にしたお酢を見つけたのです。なかなか勇気がいる値段のお酢を何本も大人買いしたのでした。
原材料は、金時豆、小豆や、長いもだけ。それぞれが、きんとき豆の酢、小豆の酢、ながいもの酢として商品になっています。素材だけでどうお酢にするのか、独自製法とだけ書かれていて全くわかりませんが、お酢なら大歓迎です!
そもそも、北海道はお米と日本酒の大産地なのに、それを発酵させた地元の米酢が作られていない。ナゼなんでしょうか。憤りを感じつつも、おそらくは経済性が悪かったり、消費者がそこまで求めていないという理由で作られていないのでしょう。そんな大人の事情にはもう慣れました。
使ったお酢は、きんとき豆の酢です。黒酢のような色と香り、酸味だけではない複雑な味わいがあります。ネット上の一般的なレシピでは、酢1:油4のようですが、油を控えたいので1:3にします。油は米油、塩はもちろん、岩内町の海洋深層水を煮詰めて作られた星の塩です。
それだけではちょっと味気ないかなと思って、我が家の食卓の生命線、自家製燻製ベーコンも加えました。米油を鍋に入れ、冷たいうちから5mm角に切ったベーコンを入れます。最弱火でじっくりと温めていくと、ベーコンから美味しい脂がしみ出してきます。
カリカリになったら、冷蔵庫に残っていたフレッシュハーブのフェンネルをちぎって入れて火を止めます。油だけを分けてフタができる容器に移し、きんとき豆の酢と塩も入れます。シェイクした瞬間に、一気に白っぽく濁って乳化します。
ただのお酢と油では振っただけではなかなか混ざりません。ですが、きんとき豆やベーコンの余計で複雑な成分が助けてくれて、すぐに混ざって乳化してくれました。これは期待以上の出来です。
お義母さんに教えてもらった通り、ちぎったレタスと細かめに切った江別の宮川農園のきゅうりを塩と米油でマリネしておいて、しんなりしたら、刻んだトマトと皿に盛ります。彩りのために細切りニンジンとまたまたフェンネルを乗せ、取っておいたカリカリベーコンをたっぷりかけます。
最後に特製ドレッシングをかければ、3カ月ぶりのお酢の酸味のサラダの完成です。ちょっとしんなりした野菜に、ベーコンの歯応えと香り、そしてきんとき豆の酢の酸味と複雑な味わいがベストマッチしています。いくらでも食べられます。
食卓の主役級のサラダができあがりました。しかも、ドレッシングは1週間以上、冷蔵庫でとっておけそうで、助かります。人間は、ドレッシングさえあれば、生野菜でも何でも美味しく食べちゃう。そんな都合の良い生き物です。
ドレッシング
サラダ
コメント
吉村さん喜びますね!よかったよかった(笑)
吉村さんをご紹介いただいてありがとうございました。
やっと酸っぱくなった我が家のサラダをまた食べに来てくださいね。