©100マイル地元食
EPISODE #29
【妻の回】誕生日シフォン
北海道-道央エリア
7月
6月、7月は、我が家では誕生日が続きます。まずは6月中旬に主人の。その5日後に長女、そして7月頭に長男です。子供たちの誕生日は、ここ数年決まってシフォンケーキでお祝いしていました。
それは、甘いものをほとんど食べない長男が、唯一美味しいと言ってくれ食べてくれるケーキだからです。今週の妻の回は、誕生日シフォンケーキです。
さて、主人の誕生日をなんとか無事に切り抜け、次は長女の誕生日です。料理は、3人目子供の産後の助っ人で来てくれている母と主人に任せ、私はデザートを担当することに。しかし、普段作っているシフォンケーキのレシピには、またもやしっかりとベーキングパウダーの文字が...こんな数グラムの粉に毎回困らせられるとは思いもしませんでした。
私が料理で困ったときに頼るのは母です。母は、メレンゲをしっかり泡立てればベーキングパウダーを入れなくても大丈夫、とのこと。確かに母から教わったショートケーキのレシピには、ベーキングパウダーが入っていなかった気がします。ここは母を信じてやってみるしかない。
すやすやと眠る生後2週間の次男の横で、私は泡だて器をフルパワーにして卵の白身を泡立て始めました。でも、次男は一向に起きません。
我が家の1人目の子供、長男が生まれたばかりの頃には、起こさないようにと、テレビの音を消していました。大きな声でくしゃみをする主人をにらみつけてまで、子供のための環境を整えていました。あの時の慎重さはなんだったんでしょう。親も子もたくましくなるものです。
いつもより長い時間、白身を泡立ててから、他の材料と混ぜていきます。いつもの見慣れた生地になってきてほっとします。でも、型に流し込み、予熱しておいたオーブンに入れたところで心配になってきました。焼いているうちにペチャンコになったら子供たちになんて言い訳しよう。そんなことを考えながら、焼き上がりを待ちました。
いつもよりソワソワした私の様子に、娘も敏感に何かを感じ取ります。私と一緒にオーブンを覗き込んで、「まだかなぁ、もう焼けた?」とオーブンに入れたすぐ後から聞いてきます。
100マイル地元食の挑戦を始めてから、特に長女がおやつ作りに興味を持ってくれています。私が量りで材料を量っているのを見ると、飛んで来ては「混ぜ混ぜするー」と、踏み台に上って覗き込みます。彼女が大好きなアニメプリキュアがパティシエの話というのも手伝ってか、飽きずに、そして熱心に混ぜたり、こねたりしてくれます。
さて、ケーキがいよいよ焼き上がりました。オーブンのドアを開くと、いつもと同じくらいに膨らんでいるように見えます。型ごと取り出して、しぼまないように逆さまにして粗熱をとります。型を外す瞬間が一番緊張する瞬間です。よし、大丈夫そう。
ロウソクを立てて誕生日会の始まりです。この日、3歳になった長女は、お兄ちゃんと正反対の甘い物好きです。今日のケーキをとても楽しみにしていました。特別に大きめに取り分けられたケーキを、娘はあっという間に食べ終わり、満面の笑みで
「ケーキ美味しかったねぇ、明日も食べる?」
ベーキングパウダー無しのシフォンケーキ、大成功でした。
誕生日シフォンケーキ(18㎝型用)