「ラストディナーは全部直接顔を合わせて話した人たちから買ったもので作りたいな。」

前々から旦那と話していた100マイル地元食チャレンジの最終日の計画。いざ何を作ろうか考え始めると、なかなか厳しいルールであることに気が付きました。

今回は、最後の妻の回。ラストディナーの最後を飾る我が家らしいデザートの時間のお話です。

 

ラストディナーの終わりはデザートで

特別な日のディナーのシェフは旦那と決まっています。私は助手とデザート係。この役割分担はチャレンジを始めた直後から変わっていません。大雑把な私の料理は基本的に目分量です。日によって味が微妙に違います。そんな危なっかしい料理を特別な夜に作るわけにはいかないので、この日も旦那がシェフです。

でも今回の料理に関しては、私が担当したデザートが一番難しかったように思います。何故なら小麦粉もバターもお砂糖も牛乳も使えないからです。使えるのは新ひだか町の太田養蜂場の旅する蜂蜜に、石狩市のはるきちオーガニックファームの平飼いの鶏舎で育てた有精卵、そして、旭川市の長谷川ファームさんからもらったブルーベリーです。

はるきちオーガニックファームの平飼い有精卵
はるきちオーガニックファームの平飼い有精卵

「いっそのこと、ブルーベリーだけそのまま食べるのはどう?」

と旦那に聞くと、なんとも言えないいつもの怪訝な顔をします。そうですよね、1年の集大成がそれじゃちょっと寂しいですよね。ラストディナーに向けて数日前からピリピリしていた旦那、キッチンもいつになく緊張感が漂ってます。

 

卵白とハチミツで作るメレンゲ菓子

何か良いデザートはないかな。そのうち作るつもりでブックマークしておいたレシピサイトを見返しました。そして、ようやく見つけました。お砂糖と卵白だけで作るメレンゲ菓子。サクッと軽い口当たりに、代わりに入れた蜂蜜の香りがほのかにしたら美味しいんじゃないかな。少し甘さ控え目にして、ブルーベリーのソースを付けながら食べたらもっと美味しいはず。一週間悩んだ末にようやく決まったデザートメニューでした。

本来メレンゲは粉砂糖と卵白で作るお菓子ですが、知り合いから買ったお砂糖が手元に無い今、蜂蜜で代用するしかありません。この1年間で「無いものは気にしないで他のもので代用する」という作業にもすっかり慣れていました。

卵白 に蜂蜜を入れてハンドミキサーでしっかり泡立てたら、絞り袋に入れてクッキングシートの上に小さく絞り出します。余熱しておいたオーブンに入れて、じっくり焼いていると、少しずつキッチンに甘い香りが広がっていきます。

卵白と蜂蜜で作ったメレンゲ菓子
卵白と蜂蜜で作ったメレンゲをオーブンへ

料理が仕上がり始めると、旦那のピリピリ感も徐々に解けていきました。これでようやく普段の我が家に戻ります。私のメレンゲ菓子もいい感じに色付いて焼き上がりました。でも、触ってみると、なんだかペタペタしています。粗熱が取れたら乾いてサクサクになることを期待して、まずは夜ご飯を食べることにしました。

 

ペタペタの素敵なデザート

この日の為にわざわざ千葉から出てきてくれた母も加わり、ラストディナーが始まります。昨年5月に次男を出産し、退院した直後から始まった1年間の100マイルチャレンジ。思い返せば色々ありましたが、今となってはあっという間だったというのが素直な感想です。

ラストディナーも終盤、いよいよデザートの出番です。ブルーベリーと蜂蜜で作ったソースを添えてメレンゲ菓子を盛り付けようと触ると指にペタリとくっついてきます。恐る恐る旦那と母に出してみると二人とも苦笑い。

「蜂蜜はベタつくから仕方ないんじゃない?」

母から優しいフォローが入ります。味は美味しいのですが、手にペタペタとくっついてサクサクのイメージとは程遠い出来上がりです。でも、甘いメレンゲ菓子としっかりと酸味があるブルーベリーソースはぴったりの組み合わせです。上川町の辰巳農園さんの香ばしい大豆コーヒーと合わせれば、これはこれで贅沢で素敵なデザートの時間になりました。

ペタペタメレンゲ菓子にブルーベリーソースと大豆コーヒー
ペタペタメレンゲ菓子にブルーベリーソースと大豆コーヒーを添えて

 

無い物にこだわらない楽しみ方

我が家らしく、最後の最後まで計画通りにはなりませんでしたが、この1年で失敗も想定外も、笑って受け入れられるようになってきた気がします。チャレンジを始めた頃は、あれもない、これもない、何も作れないじゃないか、と途方にくれていました。

でも、進めていくと無い物に囚われていても仕方ない、別の物で代用すればいい、という考えになっていきました。その結果、うまくいかなくても案外そんなにがっかりしないものです。むしろ笑い話として家族共通の話題がまた一つ増えます。

以前から、子供たちには、おもちゃを買ってもらうばかりじゃなく、今あるもので工夫したり自分で作ったりして遊んで欲しいと思っていました。この1年間で、自分の料理にも同じことが言えるな、と気がつきました。決められたレシピにとらわれず、いろいろ自分で工夫して挑戦してみるのも案外楽しいものです。

1年間、という約束で始まった今回の100マイル地元食のチャレンジでしたが、果たして今夜のディナーで終わりにしていいものか、私の中でもこの疑問が渦巻き始めました。旦那とまた話し合いの日々が始まりそうな気がします。

 

材料とレシピ

蜂蜜のペタペタメレンゲ焼菓子

  • 卵白 1個 石狩 9mile
  • 蜂蜜 20g 新ひだか 72mile
  1. オーブンを120℃に余熱しておく。
  2. 卵白をハンドミキサーで少し泡立てたら蜂蜜を入れて、ボウルを逆さにしても落ちてこなくなるまでしっかり泡立てる。
  3. 絞り袋に星形の口金を入れて、2を入れ、クッキングシートの上に絞り出す。
  4. 余熱しておいたオーブンで60分焼く。途中2回ほどオーブンの扉を少し開け、中の蒸気を逃がす。

※今回は蜂蜜だけで作ったのでベタつきましたが、一部を粉糖にするとベタつきが抑えられると思います。

ブルーベリーソース

  • ブルーベリー 100g 旭川 73mile
  • 蜂蜜 10g 新ひだか 72mile
  1. お鍋にブルーベリーと蜂蜜を入れ中火にかける。
  2. 焦げないように混ぜながら好みの固さまで煮詰める