「お母さん、ひなあられ食べてみたい。」

幼稚園の帰りの近所のスーパーで、ひな祭りの特設コーナーを見た長男(6)が言いました。季節はちょうど雛祭りです。色とりどりの雛あられなんて簡単に作れると思っていました。

今週の妻の回は、まったく膨らまないお米と格闘した雛あられ作りのお話です。

 

子供たちのための雛あられ作り

100マイルの中で作られた食べ物しか買えない我が家のルール。近くのスーパーで買えるのは少しの野菜とお肉、そして卵と牛乳くらいです。お菓子が買って貰えないのを分かっている長男は、「買って」ではなく「食べたい」とリクエストしてきました。つまりは「作って」ということです。

雛あられなんて家で作れるのかな...。子供は約束事をちゃんと覚えているもので適当に答えてはいけません。「家に帰ったら作れるか調べてみるね」とだけ伝えます。「お母さんなんでも作れるから大丈夫だよ」無邪気な子供の発言は時には大きなプレッシャーになります。

長女(3)も雛祭りを楽しみにしていました。

「雛祭りって女の子のお祭りなんでしょ?お人形飾るんだよね?遊んでもいい?あのね、ピンクのひなあられが食べたい。」

「飾るお人形さんだから遊んじゃダメだよ。見るだけ。ピンクは出来るかなぁ。」

我が家の雛人形は、私の両親が姉が産まれた時に買ったものを譲ってもらいました。私も子供の頃母にこのお人形さんは見るだけで遊んじゃダメよ、と言われていました。

東日本風のお米の雛あられに挑戦

家に帰って調べてみると、ひなあられは地域によって作り方が違うようです。東日本で一般的なのは、お米を密閉できる釜で温めて一気に弾けさせた、いわゆるポン菓子に粉砂糖をまぶしたもの。西日本では、小さく切って乾燥させたお餅を揚げて粉砂糖をまぶしたもの。私と子供が馴染みがあるのは東日本のひなあられです。

でも、お米のポン菓子なんて家では作れないので、他の作り方を調べてみることにしました。すると、もち米を油で揚げて作る方法が出てきました。これなら簡単に作れそうです。

粉砂糖は、お砂糖をフードプロセッサーで細かくすると出来るらしい。以前から知っていたのですが今まで試してみる機会がありませんでした。ようやくやってみると、多少まだ粒子は粗いものの粉砂糖のような物が出来ました。今回は簡単に出来るかも。そんな事を考えながら準備をしていると旦那から物言いが入ります。

 

何をやっても膨らまないモチ米

「もち米をそのまま揚げるの?水分が無いから膨らまないんじゃない?」

基本的に人が言う事を信用しない旦那は、ネットのレシピに納得がいかないようです。

「でも生米のままでって書いてあるから。」

旦那の指摘に少々不安になりながらも、もち米を温めた油に入れると、勢い良くジュワーと泡が出てきました。でも少し経つと、泡が無くなって、もち米がただ油の中を漂っているだけになってきました。レシピではポップコーンみたいに弾けるって書いてあるのに、これはなにか様子が違う。

モチ米を揚げる
何をしても膨らまないモチ米

旦那が後ろからニヤニヤ覗き込んできます。「な、膨らまないだろ。」

「もうちょっと色々試してみる。」簡単に負けを認めたくありませんでした。

油の温度を変えてみたり、揚げる時間を変えてみたり、それでも、もち米は膨らまず。水に浸して水分を含ませてから揚げてみても、また同じ光景です。シュワシュワーっとなって、プカーっと静かに浮かぶもち米。もうギブアップです。

 

やっとできた雛あられなのに

何とか、あられに代わるものが見つからないか、色々考えているうちにふと思い出しました。以前道の駅で買っておいた、玄米を粒のままシリアルにしたものがありました。なんだかちょっとズルをしているような罪悪感を覚えながら、 一度油でサッと揚げてから粉砂糖をまぶしてみます。

雛あられ材料
玄米シリアルと粉砂糖とアロニアパウダー

白い粉砂糖のひなあられだけでは、子供たちが喜ばないので、色の付いたひなあられも作ってみることにします。これまた道の駅で買ってしまっておいた、アロニエという濃い紫色の果物のパウダーを使いました。粉砂糖と混ぜて、薄紫のひなあられも作ることができました。

雛あられ
やっとできた2色の雛あられ

果たして子供達の反応は?長男は一口食べて「うん、美味しい。」でもお代わりは無し。

長女は一目見て「もっとキレイな色のが食べたかった。」と、厳しい一言です。

旦那はというと、口に入れた瞬間「甘っ!」とだけ言ってそれきりでした。

イライラしながら作ったご飯は、不思議と家族からの評判はあまり良くない事が多いものです。隠し味は愛情です、なんて何かのコマーシャルの台詞にあったような気がしますが、やはり作り手の気持ちは食べ物を通して伝わるのかもしれません。

モヤモヤしながら作ったひなあられは触れてはいけない腫物のようにテーブルの上でなかなか減らずに置かれていました。子供たちのために作った雛あられですが、雛人形の横に飾られることもなく、ほとんど私1人で食べる事になりました。

ひな人形と子供
親の気も知らずのびのび育つ子供たち