©100マイル地元食
EPISODE #125
【妻の回×お料理】中身が詰まったフランスパン
「チョコレートが1つ、チョコレートが2つ、チョコレートパンを作りまーす。」
作詞作曲は長女。残念ながら地元にカカオが無いので、チョコレートパンは作れませんが、子供たちが大好きなパンは焼いてあげます。今週の妻の回は、中身がぎゅっと詰まった柔らかいフランスパンのお話です。
100マイル地元食の挑戦が始まってから、いろいろなパンを焼いてきました。食パンにロールパン、ハンバーガーのバンズ、あんぱん、フォカッチャ、それにフランスパン。グリッシーニなんてものにも挑戦してみました。
我が家の子供たちはフワフワしたパンも好きですが、どちらかと言うとハード系のパンが好きなようです。だから食パンも、白い部分ではなく耳が好きなんです。そんなわけで、子供たちはいつも硬いパンをリクエストしてきます。
その中で、私がいつも苦戦するのがフランスパン。もともとは長男(6)が大好きなパンですが、この生活が始まってからは、長女(3)も好きになったみたいで、焼くことが増えました。
レシピを見ると、フランスパン専用の粉なるものがあるようですが、そんなもの100マイル範囲内で手に入るはずもなく、強力粉の分量の2割を薄力粉にして作っています。粉の問題か、私の腕が足りないのか、どうしても出来上がりが、今まで買って食べていたフランスパンとは違います。
料理の基本は母や料理番組から教わってきたので、レシピを見ればほとんどの物が作れるようになりましたが、パン作りは基礎が身についていません。いつも料理本とにらめっこしながら作りますが、果たして合っているのかどうか、いまだに自信がありません。
最近、ようやく外をカリッとさせられるようになったのですが、どうしても中に空気の穴ぼこができず、食パンみたいに詰まってしまいます。ちょっとだけの差ですが、仕上がりにはなかなか満足できません。
頻繁にリクエストされるのはいいのですが、パン作りは発酵やらなんやらで3時間ぐらいはかかってしまいます。でも、長女にはなかなか理解してもらえず、いつも
「まだできないの?なんでここに置いておくの?ちゃんと作ってる?」と急かされます。
そして、パン作りで難しいのが、発酵が終わるタイミングと私の手が空くタイミングが合わない事。もうちょっとで発酵が終わる時間なのに、次男(0)の授乳が終わらない。気持ちよさそうに寝ながら飲んでいる時は長期戦です。でも、飲み終われば、その後はしばらく寝てくれるので、パン作りに戻るチャンスです。
次男を先に寝かしつけた方が良いか、次男に我慢してもらって発酵の様子を見に行くか、そうして悩んでいると、今日もまた、少し発酵し過ぎで柔らかいフランスパンになってしまいました。
出来上がったパンを切ってみると、やはりいつものように中身が詰まった、柔らかいフランスパン。今日もまたパン屋さんのようなフランスパンにはなりませんでした。
それでも子供たちは切っていくそばから手を伸ばし、次々と自分たちのお皿の上にパンを乗せていきます。
「お母さん!にぃにが全部取っちゃった!」
自分のお皿に山盛りになったパンは棚にあげ、最後の一枚を取った兄を責める妹。微笑ましくも騒がしい我が家の食卓です。私的にはまだまだ未完成なパンですが、子供たちがこうして取り合いながら食べてくれる様子を見ると、まぁ気長に腕を上げていけばいいかな、という気持ちになるのです。