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EPISODE #100
【妻の回×お料理】しずかちゃんも大学芋がお好き?
「しずかちゃんみたいに焼き芋が好きなの。」
長女(3)は、ドラえもんのしずかちゃんに憧れています。同じものを食べたら、しずかちゃんみたいに可愛いお姉ちゃんになれるかも。そう考えているようです。
今週の妻の回は、そんな長女のために作った、焼き芋より手の込んだお菓子のお話。
ジャイアンに憧れる長男(6)の影響で、ドラえもんを見るようになった長女。いつのまにかしずかちゃんが好きになっていました。しずかちゃんが髪をクルクルと指に巻き付ける癖があると知ると、真似して髪をクルクル、今ではすっかり本人の癖になっています。
100マイル地元食の挑戦を始めてすぐの頃から、しずかちゃんが恥ずかしくて内緒にしている大好物、焼き芋が食べたいと、ずっと長女に言われていました。でも、北海道ではまだサツマイモが採れない時期。リンゴを待ち続けた長男と同様に、長女も秋を心待ちにしていました。
そして、いよいろ直売所にもサツマイモが並ぶ季節が来ました。北海道中の産地から野菜が集まってくる、北広島市のくるるの杜の直売所でついに見つけました。置いてあるいろいろな種類のサツマイモを買い込み、意気揚々と家に帰りました。
子供たちが好きなメニューは焼き芋、というか焼き芋ばかりを食べたがるので他のメニューを試したことがありませんでした。しかし、さすがに今回は買った量が多すぎます。全部焼き芋にしたら、さすがに飽きてしまいそうです。
という事で、今回はサツマイモを使ったお菓子に挑戦することにしました。初めに思いついたのが大学芋。思ったことをそのまま口に出してしまうのが、私の悪い癖です。
「大学芋作ってみる?」
旦那に言ってから気が付きました。子供たちはベタベタする食べ物は食べません。
「やっぱり芋けんぴにしようか?」と言いなおしました。
でも、旦那はもう大学芋の味を想像してしまっていました。
「やだ、大学芋がいい。」
「でも、子供たちはあのベタベタした感じは食べないと思うよ。」と返すと、
「やだ、俺が大学芋食べたい。」
こうなると、旦那は一歩も譲りません。仕方ないので、大学芋で回りがベタベタしていない物が作れないか、インターネットで丁度良いレシピを探します。
そして、やっと見つけました。スティック中華風ポテト。もはや、名前に大学芋のかけらも残っていませんが、レシピを見ていると周りがカリッとした大学芋のようです。
早速作ってみます。まずは、サツマイモを太めのスティック状に切ります。細く切りすぎると、「これは芋けんぴだろ?」と言われそうなので、太めです。イメージはちょっとオシャレな大学芋と言った感じでしょうか。
カリッと揚げるため、そして変色を防ぐために水にさらした後、水気を拭いて油で揚げていきます。150℃の低温の油でじっくりと。カリッと仕上げるためには、ここで焦らずしっかりと火を通すのが肝だそうです。
途中で次男(0)がぐずると大変なので、おんぶしながらひたすら揚げていきます。すくすくと育っている次男ももう8kg。肩におんぶヒモが食い込みます。欲張って大きめのサツマイモを選んだことに後悔しながら、やっとのことで揚げ終わりました。
ここで少しサツマイモを味見してみます。外はカリッと、中はホクホクして素朴な甘さが癖になりそうです。子供たちは、このままでも十分喜んで食べてくれそうですが、旦那が満足するはずがないので、次の工程に進みます。
フライパンにお砂糖とお水を入れて煮詰め、少しトロっとしてきたらサツマイモとゴマを入れて絡めていきます。固くなってしまう前にサツマイモを取り出して氷水に5秒ほど浸けて周りの蜜をカリッと固めます。
タイミングよく台所に現れた旦那と息子に味見をしてもらいました。旦那は一口食べてすぐさま「うまっ!」長男は慎重にポリポリと1本食べ終えてから「美味しいよ。」
これは長男的に「まあまあ」もしくは「食べられるけどそんなに好きじゃない」という反応です。肝心の長女はというと、一目見るなり「これお肉じゃないの?じゃあいらない。」と味見すらしてくれませんでした。
案の定、長男もおかわりは言ってきませんでしたので、結局、大学芋は大人だけで食べ切ってしまい、子供は揚げて塩だけ振ったものを美味しそうに食べてくれたのでした。
子供たちからすると何を余計なことをしてくれているんだ、といったところだったのでしょうか。手を掛ければ掛けるほどいい、というほど子供たちは単純ではないようです。
※蜜を絡めて水に浸ける作業を2回繰り返した方が、カリっと仕上がります。