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【キャンピングカー旅×食材調達】農家さんの大豆コーヒー

EPISODE #212

【キャンピングカー旅×食材調達】農家さんの大豆コーヒー

2018.7.2

食材調達,キャンピングカー旅行

新たな食材を求めて走り回ったキャンピングカー旅行。やっと出会えた地元のコーヒーは意外なものから作られていました。我が家の食卓の欠けていたピースがまた一つ手に入った瞬間です。

今回は、上川町で出会った農家さんの大豆コーヒーのお話。

 

今では手が届かない朝の一杯

コーヒーを片手にエレベーターに飛び乗り、まだ慌ただしい朝のオフィスに滑り込む。画面に現れるうんざりするほどの数のメール、突然鳴る電話に気持ちをかき乱されても、一杯のコーヒーだけは優しく静かに私を元の場所に引き戻してくれました。

会社を辞めて、居心地が良い自室で働くようになっても、朝は決まってコーヒーが飲みたくなるものです。でも、飲めない。ふざけたルールのせいです。我が家から100マイル内ではコーヒーは作られていませんでした。

それも当たり前です。コーヒーは、熱帯地方の常緑樹コーヒーノキの種から作られる飲み物。一番近い産地でも、1109マイル(1776km)も南の小笠原諸島です。コーヒーへの想いは、日に日に強まるばかりでした。

 

コーヒーに縁が無かったこの数カ月

「コーヒーが飲めなければ、麦茶を飲めばいいのよ」

そんな言葉が頭によぎった私は、麦を深煎りして濃く煮出せばコーヒーに似た飲み物になるかもと、挑戦してみることにしました。結果は、ただの焦げ臭くて苦い麦茶。キッチンは煙たくなるし、良いことはありませんでした。

冬に100マイル地元食旅行で訪れた沖縄では、貴重な沖縄産コーヒーを求めて何軒も店を回りましたが、残念ながら時間切れ。ついに出会えないまま帰るしかありませんでした。あれからと言うもの、コーヒーが我が家の話題に上ることはありませんでした。

ガジュマルの木

沖縄旅行でも見つけられなかったコーヒー

コーヒーにはもう縁が無いのかな、そう諦めかけていたある日、Facebookで一人の農家さんと出会いました。上川町(かみかわちょう)にある辰巳農園の辰巳さん。彼が投稿していたのが、上川町産の大豆で作った大豆コーヒーでした。

 

辰巳農園の大豆コーヒー

上川町は、旭川市から東に車で1時間ほどの距離にあります。大雪山の雪解け水をたたえた石狩川に沿ってキャンピングカーを走らせると、辰巳さんが待つ辰巳農園に着きました。

手を振って出迎えてくれた辰巳さん。ほんとに来てくれたんですね!と、キャンピングカーから順番に降りてくる私たち家族を温かく歓迎してくれます。オシャレでパワフルで、カッコいい農家さんです。

辰巳農園の畑

とにかく広い辰巳農園の畑

まだ何も植わっていないまっさらな畑を案内してくれました。米やカボチャ、スイートコーンや大豆などを幅広く育てる辰巳さんは、上川町の名物を作ろうと、町の仲間と一緒に地元の大豆でコーヒーを作っているのでした。

 

大豆コーヒーは人生を楽しむための飲み物

地元の大豆を焙煎して挽いただけのシンプルな大豆コーヒー。まるで我が家のために作ってくれたような飲み物です。紙袋いっぱいのオシャレなパッケージのコーヒーを買うことができました。

辰巳農園の辰巳さん

辰巳さんと大豆コーヒーを持って記念撮影

カフェインを含まない大豆コーヒーは、妊娠中や授乳中のお母さんに人気があるんだと、辰巳さんは教えてくれました。我が家のように、地元のコーヒーしか飲めないという変な理由で買う消費者は、初めてだったようです。

味噌に醤油、豆腐や納豆、大豆を使った加工品はたくさんあるのに、あえてコーヒーを作ってくれた辰巳さんと上川町の皆さん。生きるための食べ物だけでなく、人生を楽しむための飲み物まで作ってくれた地元の農家さんたちには、感謝してもしきれません。

大豆コーヒーと長女

大豆コーヒーを大切そうに持つ長女(3)

すぐにでも飲みたい気持ちを抑えて、辰巳さんに手を振りながら、キャンピングカーは次の目的地に向かうのでした。

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