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【キャンピングカー旅×食材調達】「食べる」を共有する友人たち

EPISODE #209

【キャンピングカー旅×食材調達】「食べる」を共有する友人たち

2018.6.21

食材調達,キャンピングカー旅行

100マイル地元食のキャンピングカー旅行2日目。4泊5日と長めの日程ですが、訪れる場所の多さを考えれば余裕はありません。この日、会いに行った2軒の農家さんは、ともに温かく迎えてくれました。

今回は、キャンピングカー旅編の第3話、我が家の「食べる」を共有する友人たちのお話です。

 

朝食を済ませて向かった先は

まだ少し肌寒い5月の北海道の朝。湿度を持った空気は凛と冷たく、控えめに咲く桜の花は朝露をまとっています。一方でぬくぬくと温かいキャンピングカーの中。早めに起きた妻と私が、朝食の準備を始めました。

北海道の桜

キトウシ森林公園家族旅行村の桜が花盛り

我が家で焼いた食パンを炙って、一食分ずつに小分けしたローストチキンは鍋で蒸して温めます。運転席上のベッドから這い出てきた子供たちに朝食を食べさせている間、同じく家で焼いてきたハンバーグで、お昼のお弁当のハンバーグサンドを作りました。

急いで朝の支度を済ませて最初に向かった場所は、旭川のお米農家さん「ぬまんち」でした。昨年の秋、稲刈りを見学させてくれた「ぬまんち」の沼澤さんの田んぼです。この半年、我が家がずっと食べ続けてきたお米、ななつぼしの苗を見るためでした。

 

ぬまんちの魔法のお米が始まる場所で

約束の時間に田んぼまで来てくれた沼澤さん。久々の再会を喜び合います。沼澤さんは、まだ水も張っていない田んぼの先にあるビニールハウスに案内してくれました。ハウスの中に広がっていたのは淡い緑色の絨毯。種を撒いてから3週間ほどの小さな稲の苗でした。

ぬまんちの苗

ぬまんちの苗は力強く育っていました

稲刈りの瞬間が、1年間の農作業の華々しいゴールだとすれば、育苗の今は、わくわくする日々が始まる可能性に満ちた朝です。沼澤さんが育苗を見せたいと招いてくれた意味がわかった気がしました。我が家のお米が生まれる瞬間に立ち会えた気分です。

長男(6)と長女(3)にとっては初めて見る稲の苗。数か月後に自分たちが食べるお米になると聞いても、そんな魔法のような話は信じられないという様子です。沼澤さんが見せてくれたお米の素敵なストーリー。ここに来る度に、食卓のご飯と「ぬまんち」の田んぼの距離が縮まっていきます。

沼澤さんと記念撮影

沼澤さんの奥様と記念撮影

 

長谷川さんの食べられるお花

次に向かったのは、妻がこの旅を思い立つきっかけになった「はせがわファーム」です。ほんの数日前、私だけがたまたま長谷川さんにお会いしていました。妻がハーブティーを大切に飲んでいること、今度は家族で会いに行きたいこと、興奮して話す私に少し気圧されながら、快く受け入れてくれました。

キャンピングカーが畑に着いた時、長谷川さんご夫妻が作業をされていたハウスから出て迎えてくれました。「これがあの妻です。」と紹介すると、妻も気恥ずかしそうに挨拶をします。先に商品を知ってファンになってから改めて農家さんに会う。これもまた、生産者さんのと友人になる方法の一つです。

「はせがわファーム」は、北海道では花やハーブ、ブルーベリーを育てる農家さんです。中でも、食べられる花、エディブルフラワーは北海道でも珍しく人気があります。案内してくれたハウスには、多くの花が咲いていました。

はせがわファームのお花のハウス

ハウスの中は色とりどりのお花でいっぱい

「ここのお花はぜんぶ食べられるんですよ。」驚く私たちのための即席の試食会が始まりました。

 

生産者さんと「食べる」を共有する

ナスタチウムは花も葉もピリッと辛くて、小さな花のアリッサムは良い香りがします。私のお気に入りはヒメキンギョソウ。名前の通り、可愛い金魚のような形のお花は、ほのかに蜜の甘い味がしました。我が家では初めての食材としてのお花。詰め合わせを1パック買うことにしました。

はせがわファームのエディブルフラワー詰め合わせ

その時咲いているエディブルフラワーの詰め合わせ

そして、忘れてはいけないのがハーブティーです。去年収穫したハーブで作り置きしていた分をまとめて買わせてもらえました。笑顔で受け取る妻。これでまたしばらく、彼女はストレス無くニコニコしていてくれるはずです。

次の目的地に向けて出発しようとした私たちに、長谷川さんは大粒のブルーベリーをくれました。昨年採って冷凍しておいたものでした。ご夫妻の優しい心遣いに最後まで温かい気持ちにしてくれます。

はせがわファーム長谷川夫妻と記念撮影

長谷川さんご夫妻と記念撮影

生産者さんとは、久々の再会でも、ましてや初めての対面であっても、古くからの友人のように心を許して会うことができます。私たち家族が人生の中で一番大切にしている「食べる」という時間。生産者さんは、そんな大切なものを共有する仲間です。

「ぬまんち」さんと「はせがわファーム」さんにお会いしたことで、また改めて気付かされました。

コメント

  1. ぬまんち より:

    タイトなスケジュールの中お立ち寄りいただきましてありがとうございました。農繁期だからなのか(笑)家族以外の人と会ってお話しできるのは、とてもリフレッシュできるのです。
    短い時間でなにもおもてなしできず申し訳なかったですが、とても楽しいひとときをありがとうございました。また旭川に来られる際はお立ち寄りくださいね。

    • 鈴木 俊介 より:

      ぬまんちさん

      コメントありがとうございます。

      その節は、お忙しいところお時間いただいてありがとうございました!
      自分たちが食べているご飯が生まれる場所を訪れて、
      たぶん今年も食べるであろうお米の苗を見られるなんて本当に幸せな体験でした。
      消費者がちょっと行動するだけで、生産者さんも消費者もどちらもハッピーになれるんですね。

      おもてなしなんて、全然気にしないでください。
      そんなことされたら旭川に移住したくなっちゃいますから!

      また遊びに行ってお話しできるのを楽しみにしております。

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