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【函館旅行】香りと色彩があふれ出す函館パエリア

EPISODE #184

【函館旅行】香りと色彩があふれ出す函館パエリア

2018.4.19

函館旅行

風邪を引いて体調最悪でもなんとか函館旅行を楽しもうとしています。念願だったあの味噌が作られている場所を訪れ、旬の魚介類をふんだんに使ったパエリアづくりもできました。ほっこりと心も身体も休まる美味しい体験をしました。

今回は、函館旅行編の最終回、服部醸造訪問とパエリアづくりのお話です。

 

100マイル味噌が作られている土地へ

せっかくの函館旅行なのに全員で風邪を引いてしまった我が家。旅行3日目になっても体調は良くなりませんでした。4日目の明日は札幌に帰る日です。やっと函館に来れたのだからと、ダルくて重たい身体をなんとか動かして、少しでも旅の目的を果たそうと頑張りました。

函館坂道

函館は歴史と港の素敵な町です

函館まで来た大事な目的が1つありました。我が家がやっと見つけた、全て地元の原料で作られた味噌 “オール八雲味噌” 服部醸造を訪ねることです。服部醸造は、函館の宿から北西に42マイル(68km)、渡島半島を札幌方向に戻った八雲町にあります。

八雲町は、日本で唯一、東の太平洋と西の日本海の両方に面した町です。町内の多様な土地を活かして、漁業、農業、酪農業が盛んです。服部醸造では、八雲町で作られた大豆と米、日本海側の熊石で取られた海洋深層水を使って味噌を作っています。我が家にとって、この味噌には感謝してもしきれない思い入れがあります。

 

手渡しで受け取る商品のストーリー

服部醸造は、八雲町の東の太平洋側にあります。その味噌は、白い蔵のようなペイントが愛らしい歴史を感じさせる工場で作られていました。でも、初めて訪れた工場、どこに声をかけて良いのか分かりませんでした。きょろきょろしていると、事務所らしき建物を見つけました。

服部醸造

丸八が屋号の服部醸造

遠慮がちに中に入って声をかけます。

「あのー、“オール八雲味噌” 買いたいんですけど。」

「はいはい、ちょっと時間ください。準備しますから。」

以前、ネット通販で買った木桶入りの3kgの味噌。やっと、直接買うことができます。100マイル地元食を実践していると、顔を見たことがない相手から、通販で食べ物を買うのをつまらないと感じるようになります。

我が家が大切にしたいのは、食べ物の奥にある、作り手さんの想いです。直接会って手渡しで受け取ることで、作り手のストーリーと私たち消費者のストーリーがつながる気がするのです。残念ながら工場見学は出来ませんでしたが、ますます服部醸造のファンになりました。

 

春の函館パエリアづくり

貸別荘に戻った私たち。前日に「はこだて自由市場」で買った食材を使って、パエリアを作ることにしました。アナゴは小骨が多そうなのでハモのように小さな切り込みを入れて骨切りしてから、一口大に切ります。初日に買って残しておいた長万部の天然ホタテも切りました。

貸別荘にあった大きくて深いフライパンに多めの菜の花油をひき、刻んだ行者ニンニクと妻がつまみ食いしたボタン海老の頭を入れて、弱火でじっくり温めます。良い香りが出てきたら海老の頭だけを取り出して、洗っていない生のお米を入れて透明になるまで炒めます。

サクラマスの骨と頭でとった出汁とトマトジュース、岩内町の星の塩を入れたら、お米の上にアナゴ、ホタテ、ヤリイカ、ボタン海老を並べます。ぐつぐつと煮立ってきたら弱火にしてフタをして15分ほど待ちます。時間が経ったら火を止めて、半分に切ったミニトマトと刻んだアサツキを入れてまたフタをし、10分蒸らしたら完成です。

函館パエリア

美味しい香りと色の春の函館パエリア

 

あふれ出す美味しい香りと色

渡島半島と函館の山海の幸をフライパンにとじ込めたパエリア。テーブルの真ん中に置いてフタを取ると、美味しい香りが噴き出します。ボタン海老とトマトの赤、アナゴの白、ホタテの卵巣の黄色が、アサツキの緑の中で映えます。これが私たちの函館旅行を表現したご馳走です。

塩だけで味付けしたとは思えない、深く優しい海の味のスープ。豊浦で買えたお米が余すことなく吸い取ってくれました。アナゴのふわふわ、ホタテとイカのコリコリ、ボタン海老のしっとり。いろんな食感が楽しませてくれます。地元の食材だけでこんなに美味しくできるなんて、大成功のお料理でした。

でも、風邪を引いている私たちは、まだあまり食欲がありませんでした。家から持って来ていたタッパーに詰め込んで、お土産にしました。函館旅行から帰って3日間はパエリアを食べてゆっくりと休みました。思うように動けず落ち込んでいた私たちを、最後の最後にパエリアが元気にしてくれました。

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