十勝旅行も、4日目の最終日になりました。

実は、この日の予定は全く決めていませんでした。そんな日に限って、思い付きの行動と皆さんの優しさ、そしてちょっとの幸運によって、忘れられない出会いと味にたどり着くのでした

今回は、出会いの連鎖がくれた美味しい食べ物のお話。

最初の出会いをくれたのは谷口さん

少し前に、藤野ワイナリー見学我が家でのおもてなしパーティーの時、蝦名さんが連れて来てくれた谷口さんと井上さん。途切れる事のないおしゃべりの中で、谷口さんが、紹介してほしい農家さんがいたら、いつでも聞いてね、と言ってました

十勝旅行の途中、谷口さんの言葉を思い出しました。Facebookでつながっていた谷口さんに、メッセージを送ります。十勝で面白い農家さんいませんか?こんな質問、したことがある人はなかなかいないはずです。

谷口さんは、すぐに吉村さんという方を紹介してくれました。この吉村さん、なかなかすごい方でした。小豆や大豆を扱う丸勝という会社にお勤めですが、その会社が運営する、農と食のテーマパーク十勝ヒルズのご担当をされています。

これは十勝ヒルズに行くしかない!4日目の行き先が決まりました。

十勝ヒルズの花、子豚、ミニトマト

十勝ヒルズは、宿泊地フェーリエンドルフがある中札内村から北東に2~30㎞、幕別町の丘の上にありました。入口にある、白い綺麗な木造の建物を通ると、白、黄、青、オレンジに紫、色とりどりの季節の花に目を奪われます。子供たちはと言うと、貸し出していた虫取り網を振り回して蝶を追いかけています。まあ、しょうがない。

動物もいます。羊やウサギに餌を手から餌をあげられます。子豚を見ていた時、不意に後ろから声をかけられました。「鈴木さんですか?」これが吉村さんとの初めての対面でした。失礼ながら、会った瞬間に、仲良くなれそうな温かい人柄を感じました。

「豚に餌、あげてみるかい?」この提案に、長男(6)は大喜びです。柵の中に投げ込んだ餌に、子豚たちが我先にと駆け寄ります。この豚たち、普通の豚ではありません。オランダから輸入されたマンガリッツァ豚、ハンガリーでは「食べる国宝」と呼ばれているそうです。まだ小さい子豚、この子達は食べられませんでした。

吉村さんは、私たち家族に、農園も案内してくれました。この時期は、ハウスの中にミニトマトがたくさんなっていました。農園の管理をされている方が、優しく子供たちにミニトマトの採り方を教えてくれます。

子供たちは、トマトが好きではありません。ですが、本当に美味しいミニトマト、私と妻が喜んで食べるので、子供たちも嬉しいのか、たくさん採ってきてくれます。子供たちにとって、貴重な収穫体験になりました。

吉村さんがかけた電話の先に

ミニトマトのハウスの外に出て、ブルーベリーもつまんでいた時、吉村さんが聞いてきます。「十勝のトウキビは食べた?」いえ、まだです、と答えます。すると、吉村さんが携帯を取り出して、電話し始めました。

「あ、かずなり?これから変わった家族がそっち行くから、トウキビ何本か渡してくれる?頼むね!」突然のことで、訳が分かりません。すると吉村さんが「お土産にトウキビあげるから、この住所に寄って!俺、用事あるからまたね!」...行ってしまいました。

指示されたご住所は、吉村さんのお取引先でご友人の、農家さんのお宅でした。あれだけの電話の内容で、私たちが突然押しかけたら、さぞ迷惑でしょう。かなりドキドキしながら車で20分ぐらいの距離を走ります。

出会いの連鎖のゴールは斎藤農場

指定された住所には、広大な畑と民家、そして農業用の大きな納屋があります。教えてもらった番号に電話すると、畑の方から男性が歩いてきます。

斎藤農場の斎藤一成さんでした。有機栽培で、じゃがいもやスイートコーン、ニンジンなどを育てているそうです。あのー、吉村さんに言われたトウキビなんですけど?

斎藤さんも事情がわからないまま、「あ、はい」と、冷蔵倉庫から実の入りが悪く商品にならなかったトウキビを持ってきてくれました。皮を剥いて見せてもらうと、真っ白なホワイトコーン。生でかじります。甘い果汁がジュワっと溢れ出します。果物としても十分なほどに甘い。

ホワイトとイエローを何本かずつ袋に入れながら、我が家の100マイル地元食生活について説明します。「あ、そーゆーことなのか。よく変わった人達に会うけど、お宅もかなり変わってますね。」嬉しい誉め言葉でした。

「なら、じゃがいもも持っていくかい?」斎藤さんは、冷蔵倉庫から今度はビニール袋いっぱいのじゃがいもを持って出てきました。去年収穫した分を寝かせておいたものでした。じゃがいもに目が無い長男(6)と長女(3)は、一気にテンションが上がります。「ありがとー!」

十勝旅行の終わり 気になることが1つ

斎藤さんに別れを告げ、長いようで短かった十勝旅行からの帰り道。気になることが1つ。斎藤農場と我が家の距離でした。もし、100マイルを超えていたら、せっかくもらったトウキビもじゃがいもも食べられません。計ってみると、なんと98マイル!見事食べられる距離でした!

出会いの連鎖が生んだ奇跡の味。トウキビは茹でて、じゃがいもはフライドポテトにして、さっそくいただくのでした。