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【十勝旅行×ストーリー】畑とお皿をつなぐ世界の秘密

EPISODE #48

【十勝旅行×ストーリー】畑とお皿をつなぐ世界の秘密

2017.8.18

十勝旅行,ストーリー

十勝旅行もすでに3日目。残すはあと2日です。この日は、中札内の農村休暇村フェーリエンドルフの中で過ごすことにしました。

昨日のバーベキューは本当に幸せな体験でした。今日も、美味しいものを山ほど食べたい。だけど、まずは子供たちに見て感じてもらいたいことがありました。

今回は、畑とお皿をつなぐ世界の秘密のお話。

農村暮らし体験ができるフェーリエンドルフ

十勝旅行での宿泊先、中札内農村休暇村フェーリエンドルフを選んだ理由はもう1つありました。ここでは、敷地内に野菜畑と鶏小屋があります。そして、宿泊者は自由に入って行って、野菜を収穫したり、玉子を探したりできるのです。

野菜は畑で作られていて、玉子は鶏が産んでくれたもの、私と妻は知っています。ですが、これは世界の常識ではありません。産まれてから今まで、誰かに作ってもらって目の前に出てきた食べ物だけを食べてきた子供は、この世界の秘密を知りません。

フライドポテトが土に埋まっていて、焼き魚が泳いでいる。リンゴジュースは、キッチンの蛇口から出てくると思っているかもしれません。だから、当たり前のことですが、子供たちにはしっかり自分の目で見て欲しかったのです。

初めての収穫はとげとげキュウリ

木立とイングリッシュガーデンとグランピングサイトの陰に、広い畑がありました。いろんな野菜やハーブがちょっとずつ植えられた、いわゆるポタジェです。収穫できる野菜を探して歩き回りました。

枝豆、スイートコーンはまだかな。キヌサヤはあんまり食べないからいいか。トマトは緑色のやつしかない。自然のタイミングに任せた畑は、いつでも食べ頃で待っていてくれるわけではありません。これも子供にとっては学びです。

ハウスの中の奥のほう、長男(6)が、ほぼ唯一生で食べられる野菜、キュウリがなっていました。キュウリあった!早い反応でした。イボイボトゲトゲの最近見なくなった昔ながらのキュウリでした。1本だけハサミで切って収穫しました。

おっかなびっくり手を伸ばした先にあったもの

続いて、養鶏場です。ネットで囲まれた広い空間に、4~50匹の鶏が放し飼いにされています。恐る恐るドアを開け、怖がる子供たちの背を押して中に入ります。人に慣れているのか、鶏たちは逃げていきません。むしろ足元まで近づいてきます。これが子供たちには怖かったようです。

奥にある小屋の中は、産卵用にロッカーのようにいくつかの小部屋に分かれていました。その中の1部屋のまた奥のほうに、ありました。薄茶色の丸いやつ、玉子でした。怖がる息子に勇気を出して取ってくるように促します。

半泣きになりまがら、小部屋に上半身を突っ込み、手を伸ばして掴みました。初めての手掴み玉子です。まだ温かい。産みたての生き物の温もりを、両手で大切に包み込みます。

子供たちに伝えたかった世界の秘密

この日、私と妻がずっと考えていた、食べ物について子供に教えたいことを、ちゃんと見せることができました。知っている人間には当たり前のこと。そして、関心が無い人にはどうでもいいことなのかもしれません。食べ物はどこから来るのか。そして、美味しい食べ物を作るには、畑でも鶏小屋でもキッチンでも、時間と手間がかかること。

キュウリのとげが痛いこと。産みたての玉子は温かいこと。そして、それを体験してから食べてみると、いつもより少しだけ美味しい気がすること。キュウリは水で洗ってヘタをとり、お塩をかけて丸かじりです。玉子は1つしかなかったので、道の駅で買った中札内産の玉子と合わせて玉子焼きにしました。子供たちはあっという間に食べきってしまいました。

畑や鶏小屋と、テーブルに並んだお皿をつなぐ世界の秘密。現代都会人なら、知らなくても飢えることはありません。ですが、知っていた方が、美味しいものを食べられることが多くなるはず。そして、この子達の人生が、少しだけ楽しく美味しくなればいい。それは、私たちが100マイル地元食を始めた理由でもありました。

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