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【食材調達】海洋深層水が買える自動販売機

EPISODE #174

【食材調達】海洋深層水が買える自動販売機

2018.4.2

食材調達

大量に買い込んだ寿都と余市の鮮魚を長持ちさせる秘密兵器は海洋深層水です。岩内町には誰でも買える海洋深層水があります。そして、この貴重な海水は、我が家が愛用している星の塩の原料でもありました。

今回は、初めて岩内町の海洋深層水を買いに行き、思いがけない幸運に巡り合ったお話です。

 

岩内町の海洋深層水でできた星の塩

我が家がある札幌から西に41マイル(66km)にある岩内町。小樽や余市がある積丹半島(しゃこたんはんとう)の西側の付け根にあります。ここ岩内町では、町が主導して2003年から、沖合7.7km、深さ300mまで取水管を延ばして海洋深層水を汲み上げています。

 

岩内町地図

札幌の西側 積丹半島の付け根にある岩内町

我が家にとって、この海洋深層水は縁が深いものです。昨年6月に100マイル地元食への挑戦を始めてすぐに買いに行き、今も使い続けている地元の塩、星の塩の原料だからです。星の塩は、海水に含まれるミネラル分が豊富に残っていて、複雑な深みのあってどんな料理でも美味しくしてくれます。

塩がこんなにも美味しいのだから、海洋深層水だって美味しいに決まっている。いつか買いに来たいと思っていましたが、やっと念願が叶いました。かつて新潟県直江津港とのフェリーが運航していた規模が大きな岩内港のすぐ近くに、岩内町地場産業サポートセンターがあります。

 

清浄で栄養豊富な海洋深層水

サポートセンターは、岩内町が取水を始めた海洋深層水の活用を促すために2005年にオープンした施設です。海洋深層水の販売機があって誰でも買うことができます。街では、星の塩だけではなく、数の子やかまぼこ、パンやパフェなど、いろいろな特産品に活用されています。

岩内町地場産業サポートセンター

海洋深層水が買える岩内町地場産業サポートセンター

海洋深層水は、日光が届かず水温が低い、プランクトンや細菌が生きていけない深さから汲み上げられます。海面近くではプランクトンが使ってしまう硝酸塩やリン酸塩などの無機栄養塩類が豊富に残っていますし、川から流れ込む有害物質も届かない、綺麗な海水です。

日本全国には、海洋深層水の取水施設が15か所もあります。北海道には3か所があり、八雲町の海洋深層水は、我が家が買える唯一の地元の味噌 “オール八雲味噌” にも使われています。一足早く1990年代から取水を開始した高知県、富山県、沖縄県では、海産物の養殖やタラソテラピーと幅広く活用されています。

 

自動販売機で買える海洋深層水

さて、岩内町地場産業サポートセンターに着きました。でも、海水を買った経験なんてありません。折り畳み式のポリタンクを持って中に入ったものの、何をどうしたら良いのやら。そんな私を見かねて、事務所の中からスタッフの方が出てきてくれました。

買える海洋深層水は3種類あります。取水されたままの塩分3%強の原水、少し濃縮された塩分5%の高ミネラル塩水、脱塩された塩分0%の脱塩水です。原水は20リットル、高ミネラル塩水と脱塩水は5リットルで、それぞれ100円で買えます。

海洋深層水の自動販売機

海洋深層水の自動販売機

スタッフの方に教えてもらった通りに、自動販売機に100円を入れて、高ミネラル塩水を選びました。持って来たポリタンクに蛇口から伸びるホースを差したら、給水開始のボタンを押すだけです。塩分5%なので5リットルの中に、250グラムの塩分が含まれています。間違いなく我が家が買うことができる一番安い地元の塩分でした。

スタッフ

丁寧に買い方を教えてくれたスタッフの方

 

思いがけない提案 あの人に会える

海洋深層水を買いたかった理由は、この格安の塩分を使って魚の干物を作りたかったからです。干物を作る時は、だいたい5%の塩水を作って魚を浸けて味をつけてから干します。最後は、流して捨ててしまう塩水に、貴重な塩を大量に使うのはもったいない。だからこそ、この海洋深層水が秘密兵器になるのでした。

高ミネラル塩水

5リットルで100円の高ミネラル塩水

興奮しながら海洋深層水を眺めている私に、スタッフの方が聞いてきました。

「初めてですよね?なんでわざわざ札幌から来られたんですか?」

この生活をしていると不思議がられるのには慣れてきます。我が家が挑戦している100マイル地元食のこと、この海洋深層水で作られた星の塩に命を助けられたこと、そして干物を作るために汲みに来たことを説明しました。

すると、スタッフの方が何かを思いついたように慌てて奥に入っていきました。連れてきたのは、岩内町役場の方でサポートセンターに勤務されている方でした。

「星の塩ですよね?作ってる金澤さんに会ってみますか?」

思いがけない突然の提案でした。昨年、高校の同級生でお魚博士の青木君と探し回って、ついに見付けることができなかった星の塩のお店、金澤鮮魚店の金澤さんのことでした。

星の塩

我が家の食卓を支える星の塩

「ぜひ!」とすぐに返す私。干物作りの秘密兵器どころではない、本当に大きな収穫を手にすることになりました。

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