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【食材調達】夕暮れ前の新ごぼう掘り

EPISODE #97

【食材調達】夕暮れ前の新ごぼう掘り

2017.10.24

食材調達

留寿都の吉川さんから突然のメッセージ。「ごぼう掘ってますけど見に来ませんか?」

農家さんと気軽に話ができる関係を築けたことで、こんな特別な体験ができるようになりました。私にできることは、光輝く農家さんとごぼうのカッコいい写真を撮ること、そして、美味しく食べること。

今回は、初めて見た新ごぼうの収穫作業のお話。

我が家の会いに行ける農家 吉川さん

寿都漁港に魚を買いに行っていた日、ある人から嬉しい連絡をいただきました。留寿都村のよしかわファームの吉川巴さんでした。この日、お義兄さん吉川農場さんのごぼうの収穫をするので、見に来ませんかというお誘いでした。「行きます!」即答でした。

よしかわファームさんには、

自家製味噌の材料になる大豆一緒に直売マルシェをした時に箱で買ったじゃがいも、他にも長いもに、祝黒の黒豆と、我が家の重要な食材を作ってもらっています。我が家にとって大切な会いに行ける農家さんです。

留寿都村は、札幌から見れば、寿都と同じ西側にあります。帰りに立ち寄れないこともありません。寿都漁港で魚を買い終わった時点で、すでに午後3時を回っていました。休憩なしで走って、留寿都には午後5時頃に着きそうです。

海、川、山を越えて留寿都村へ

寿都を出て、日本海沿いを東に走り、尻別川河口から蘭越町を通って、羊蹄山エリアに入ります。ニセコ、真狩と通り過ぎれば、やっと留寿都村です。素晴らしい景色を見ながらのドライブですが、やはり1日中運転しているのは疲れました。

留寿都に到着した頃には、もう陽が傾いていました。巴さんが誘導してくれた先には、見渡す限りの畑が広がっていました。何台ものトラクターと、作業をしている皆さんが見えました。大きな声でご挨拶をして、その後は邪魔にならないように気を付けながら写真を撮っていました。

この日の数日前までずっと天候が悪く、様々な作物を作っている吉川兄弟の畑では、収穫作業がなかなか進まずに困っていたそうです。この日は、久しぶりの晴れ。朝から夕暮れ時まで、ずっとごぼうの収穫作業をしているそうです。皆さん、本当にタフです。

初めて見るごぼうの収穫作業

1台目のトラクターが、ごぼうの頭が出るぐらいにちょっとだけ掘っていきます。そして、後ろから付いてくる2台目が、ごぼうを抜き取り、まとめて土の上に置いていきます。ごぼう専用の収穫機械があるなんて思ったこともありませんでした。貴重な体験です。

ここからは手作業です。皆さん、まとまったごぼうの前に正座しながら、土を払って、細かったり折れてしまった、いわゆる規格外品をはじいていきます。最後に、形が整ったごぼうの束を、3台目のトラクターが引くカゴに入れていきます。

雲と地平線の間に、すぐにでも沈みそうな太陽が顔を出しました。数日前の雪で頂上が少しだけ白くなった羊蹄山が、すぐ後ろにたたずんでいます。初めて見ることができたごぼう掘りは、美しく光り輝く素敵な光景でした。

新しい発見と嬉しいお土産

収穫されたごぼうは、秋掘りの新ごぼうと呼ばれます。成長を終えて間もなく、まだ多くの水分を含んでいる、今しか食べられない旬の味です。この場で収穫を見ながら教えてもらうまでは、ごぼうに旬があることを知りませんでした。

この日、畑で作業していたのは、吉川家の皆さんだけではなく、地域のお手伝いの方もいらっしゃいました。座ってはごぼうを整理し、またすぐ歩いて次のごぼうの山に取り掛かる。大変な作業を朝から続けているのに、皆さん、笑顔です。

普段、目立たないごぼうであっても、収穫の時は、畑も、作物も、そして農家さん達も輝いていました。帰りしなに、巴さんがごぼうを抱えられるほどお土産にくれました。目の前で掘られたばかりのごぼう。こんなに嬉しいことはありません。

我が家だけでは到底食べ切れない量の旬の新ごぼう。どう料理して、誰と食べるか、考えるだけでウキウキしてきます。そろそろ峠道が凍る季節。すでに道端に雪が積もった夜の中山峠を、ゆっくり慎重に走るのでした。

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