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【3月ダイジェスト】100マイル円で伝わるストーリー

EPISODE #185

【3月ダイジェスト】100マイル円で伝わるストーリー

2018.4.20

月次ダイジェスト

北海道札幌の3月は冬と春の境目。100マイル地元食の日々では、次々にあらわれる食材が春を感じさせてくれました。日本海の春告魚との再会と干物作り。高校の恩師を我が家に招いたおもてなし。光り輝くストーリーに溢れた3月でした。

今回は、3月のエピソードをまとめたダイジェストです。

 

春告魚と海洋深層水の干物作り

道路脇に積み上がった根雪が日に日に減っていくと、外に出たくてじっとしていられなくなります。雪と寒さを避けて部屋に閉じこもっていた冬はもう去りました。春の陽気は、地元の食材もがらりと変えてくれました。日本海に春の魚を探しに、買い出しに出かけました。

寿都の「すっつ浜直市場」では、春を告げるサクラマスや宗八ガレイを買うことができました。初めて訪れた余市の新岡鮮魚店では、ニシンとホッケを買いました。買い過ぎた鮮魚を美味しく食べる秘密兵器は、岩内の自動販売機で買える海洋深層水です。

海洋深層水の自動販売機

海洋深層水の自動販売機

宗八ガレイとニシンとホッケを、海洋深層水に漬け込んで塩味を付けて、自家製の干物を作りました。希少で高価な塩を使わず、安くてミネラルたっぷりの海洋深層水を使えば、思う存分、干物作りが楽しめます。やっと来てくれた愛おしい春をもう少し長く楽しみたい。そんな私たちの想いが詰まった干物ができました。

ニシンの干物

海洋深層水仕込みのニシンの干物

 

妻のスイーツとダイエット

妻が、長女(3)のために、ひな祭りのひなあられを作ってくれました。玄米のシリアルで楽をして作ったひなあられは、正直あまり美味しくありませんでした。牛乳と砂糖だけでモミモミアイスも作ってくれました。紋別の「みるとんはうす」の世界一正直なソフトクリームのように、素直な優しい味でした。

2色のモミモミアイス

左がシークワーサーシャーベット 右がミルクアイス

100マイル地元食の挑戦を一時中断した年末年始の帰省中に一気に増えた体重、もう一度痩せようと体重を気にし始めました。でも痩せるために特別なことはしません。今まで通り、地元の食材の一つずつのストーリーに感動しながら食べるだけ。気持ちが満足すれば満腹まで食べる必要が無いのです。

こんな風変わりな食生活を続けてきて気が付いたことがあります。世界は美味しい食べ物で溢れています。でも、美味しいだけでは感動しません。食べ物の先にある作り手の想い、産地のストーリーが私たちを感動させてくれるのです。そう考えれば、100マイル地元食は人を感動させる力に満ちています。

 

恩師のおもてなしで確かめたかったこと

私たちの気付きを再確認する機会がすぐに来ました。高校時代の恩師である武田先生が我が家に遊びに来てくれることになったのです。先生は北海道の室蘭出身。先生を思い出の食べ物でおもてなしすることにしました。私たちが産地から受け取ったストーリーを、料理に乗せて先生に伝えることができるのでしょうか。

東静内の魚屋さん「高槻商店」でお土産にもらった棒鱈で出汁をとって、室蘭のスケトウダラとホタテの鍋を作りました。鍋を食べた先生は、思い出したように室蘭で育った子供の頃の話をしてくれました。この日、先生は食べ過ぎと思うほど、私たちが作った料理をたくさん食べてくれました。

室蘭のスケトウダラとホタテのお鍋

室蘭のスケトウダラとホタテのお鍋

でも、一番喜んでくれたのは意外にも、宗八ガレイの干物でした。お腹いっぱいのはずの先生が、無理してでも食べたかった干物は、先生にとっての思い出の味でした。妻と私が、産地から受け取ったストーリーが、先生の人生のストーリーとつながった瞬間でした。

宗八ガレイとお茶漬け

宗八ガレイの干物と棒鱈出汁のお茶漬け

 

100マイルはストーリーが伝わる魔法の距離

挑戦を始めてから10カ月、訪れたことが無かった函館に念願の旅行に行きました。でも、山海の幸に囲まれた幸せな数日間になるはずが、私が引いた風邪が全員にうつってしまい残念な旅行になってしまいました。でも、なんとか「はこだて自由市場」で買えた魚介類で作ったパエリアが、少しだけ元気にしてくれたのでした。

函館パエリア

美味しい香りと色の春の函館パエリア

3月が終われば、100マイル内で生産された食べ物だけで生きる挑戦は、2か月を残すだけになります。振り返れば、当たり前だったすべての食材を失い途方に暮れていた我が家の食卓は、これまで無かったほどに食べ物に感動できる食卓になりました。

我が家にとって、100マイルは魔法の距離です。いつでも食材を買いに行けて、生産者さんに会いに行けて、心から自分の地元だと感じられる距離です。我が家が100マイルの円の中で、出会い、食べ、感動したストーリーの数々を、2か月の間にちゃんと伝えていきたい。それが、我が家の100マイル地元食に対する恩返しなのかもしれません。

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