11月が終わり、6月に100マイル地元食の挑戦を始めてから、半年が過ぎました。ただ地元の食材を探して食べるだけではなく、世界を広げるために一歩を踏み出していった11月でした。

遅くなってごめんなさい。11月ダイジェスト始まります。

私達は決して孤独じゃない
そりおい山に降る雪
季節は秋から冬へ

季節は、短い秋を駆け抜け、いつもより早い本格的な冬へとやってきました。もし、11月から100マイル地元食を開始したとすれば、日に日に手の中からするりと逃げ消えていく地元の野菜や果物に、泣き出したくなる程の不安を覚えたはずです。

ですが、この6か月間で我が家が得たものは、ただの風変わりな人生経験以上のものでした。それは、手に入る食材だけで賢く、そして美味しく料理をするテクニックであり、そんな不自由な食卓を楽しむ、前向きでタフな心持ちです。私達は、決して孤独ではない。

札幌に住み、我が家だけのルールに従って、車を走らせ、食材と出会い、料理をし、家族で食べる毎日。駆け抜けたこの半年間で、農家さん、漁師さんに直売所と出会い、一緒に挑戦を楽しんでくれる友人たちが確実に現れてきました。それを強く感じた節目の11月になりました。

留寿都の直売所にはストーリーの接点がある

よしかわファームの吉川さんご夫婦、石崎農園の石崎さんご夫婦と、我が家の貴重な “会いに行ける農家さん” がいる留寿都村。よく買い物に行っていた、道の駅230ルスツの農林水産物直売所に頼み込んで、3日間の仕事体験をさせてもらいました。

混雑する直売所
混雑する直売所

中から見る直売所は、驚きと発見の連続でした。開店前から、新鮮な野菜を並べに来る陽気で誠実な農家さんたち。店員として立つ私に、野菜への想いを伝えてくれます。直売所の本当の価値は、この農家さんたちであり、売り場の棚は、仲介しているにすぎない、そう思いました。

直売所は、農家さんのストーリーと私たち消費者のストーリーが、交差しつながる場所でした。現代都会人が食べることに費やす膨大な時間を、栄養補給以上に意味のある時間に変えてくれるストーリーです。そんな接点が埋もれている。直売所の可能性は計り知れないほどに大きいです。

友達集まれシェアキャベツパーティー

妻の私が背伸びして頑張る時。それが、おもてなしのホームパーティーです。今回は、当別町の農家さん、高橋良一さんが作ってくれた日本一大きなキャベツ、札幌大球を食べ尽くすシェアキャベツパーティーを開きました。長男(6)の幼稚園の友達とママ友が集まりました。

札幌大球と記念撮影
札幌大球と記念撮影

新ひだか町静内の太田養蜂場さんの旅するハチミツ。同じく東静内のコンシェルジュがいる魚屋さん、高槻商店で買った、日高のブランド鮭 “銀聖”日高の魅力の2品を詰め込んだスモークサーモンで作った渾身の前菜には自信がありました。

銀聖
日高のブランド鮭 銀聖(オス)

札幌大球で子供たちと作った手ごねの焼き餃子ポトフも包み焼チキンも作ったけど、札幌大球は食べ切ることができませんでした。でも、一緒に100マイル地元食を楽しんでくれる友が増えたことが嬉しい。また来年もチャレンジしたいですね。

子供たちも大喜び
子供たちも大喜び
酪農は夢がある仕事 別海町中山農場

別海町の中春別という地区にある大きな牧場、中山農場さんにも、お仕事体験でお邪魔しました。仕事として考えれば、もしかすると一番遠くにあるかもしれない、酪農家という職業を内側から見られる機会。人生観が変わるほどの経験になりました。

毎日のケアで健康を保つのが分娩房の役割
毎日のケアで乳牛の健康を保つ

「生き物が生き物を育てている。」若いスタッフの成長が、乳牛の健全な成長につながって、美味しい牛乳につながっている。人も牛も幸せにする牧場にしたい。そんな夢を真面目に追い求めている勝志社長の熱い想いが、スタッフにも牛にも、無殺菌無調整の0マイル牛乳にもこめられていました。

無殺菌無調整の搾りたて0マイル牛乳
無殺菌無調整の搾りたて0マイル牛乳

サラリーマン時代の私の仕事と、酪農という仕事を選んだ若者たちの仕事を、素直な目で見つめ直したことで見えてきたことがありました。世の中に楽な仕事なんてない。なにか1つの職業を選ばないといけないなら、好きな仕事をしたい。酪農という仕事はありアリです。

甘酸っぱい、辛い、お腹が痛い 妻の回

11月も妻の回は元気にお届けしました。深川の直売所で偶然出会った果物、マルメロを使って、本当のマーマレードを作ってくれました。生のままでは固くて酸っぱくて食べられない果物が、朝ご飯のトーストに欠かせない甘酸っぱいジャムになりました。

マルメロのマーマレード
マーマレードの語源になったマルメロジャム

岩見沢の北の大地のマルシェで、やっと見つけたショウガは、待ち望んだジンジャーエールのために、シロップ漬けになりました。くぅーっと喉にくる辛みと、鼻に抜ける香りは別の物では代えることができない、刺激的な喜びでした。

ジンジャーエール
自家製爽やかジンジャーエール

大ピンチは突然に訪れました。お腹が痛い。夫婦そろってダウンした4日間、やむなく挑戦を中断して、コンビニ弁当と出前ピザに頼るしかありませんでした。便利さへの感謝と、ぬぐい切れない罪悪感。100マイル地元食をずっと続けたい。妻はそう思ったようです。

残り半年への新たなスタート

勇気を出して一歩踏み出したことで、そして知らない世界に飛び込んだことで、初めて見えたことがたくさんありました。食を追求する誇り高きプロの仕事に共感しました。

私たちは孤独じゃない。長く厳しい冬と、はるか先に待つ春。遅めの桜が咲く季節になれば、5月末の挑戦のゴールが見えてきます。大変だし、長いだろうけど、絶対に楽しく生きていける。不確かな自信と、頼もしい確かな友の存在。残り半分になった挑戦に、我が家らしいマイペースなスタートがきれそうです。