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EPISODE #216
【お料理】士別サフォークラムのジンギスカン下準備
100マイル地元食ルールでのキャンピングカー旅で手に入れた士別産サフォークラムのモモの塊。食べるには解体しないといけません。慣れ親しんだジンギスカンですが、すべてが新鮮に感じました。
今回は、初めてのジンギスカンの下準備のお話です。
今回のキャンピングカー旅では、生産者さんに会って食材を調達することばかり優先していました。なので、家に帰ってからが食材を存分に味わえる楽しい時間です。
旅の途中からとにかくすぐに食べたかったのは、「士別市地域おこし協力隊」の加藤さんのご尽力で手に入れることができた、士別で育ったサフォークのラムの肉です。モモの塊で3kgもあります。
食べ方は、なんと言ってもジンギスカンでしょう。我が家がある北海道では、ジンギスカンが家庭の味として食生活に溶け込んでいます。明日は、孫に会いに来た両親と一緒に公園でバーベキューをする予定です。
目の前にどんと置かれた3kgのモモの塊。これを見慣れたジンギスカン用のスライスにするためには、解体しないといけません。でも心配は無用。今は、塊肉の解体方法だって動画投稿サイトで見られる時代です。
大きな筋肉と筋肉の境目にある膜と脂に沿って包丁を入れると、モモ肉はいくつかのパーツに分かれていきます。表面に残った筋や膜、余計な脂身をそぎ取っていけば、徐々に見慣れたお肉の姿になっていきます。
お店で出てくるラム肉よりも厚めに1cmぐらにスライスします。丁寧に並べれば、それはもうジンギスカンの肉です。動画を見ただけの付け焼刃の解体作業でも、家族で食べるには全く問題ない出来栄えになります。
ジンギスカンはどこからがジンギスカンなのでしょうか。最近では、ジンギスカンの特徴とも言えるモンゴルの鉄兜の形をした鉄鍋を使わない網焼きジンギスカンや、タレを使わない塩ジンギスカン、もはや羊でもない鹿ジンギスカンまであります。
私にとっては、あの甘辛いタレこそがジンギスカンの主役です。と言ってもいつも通り、100マイル外の材料が入っている市販のタレは買えないので、自作するしかありません。
味噌から作った醤油のような調味料の “タレ味噌” をベースにして、新十津川町の金滴酒造の日本酒、伊達市の北海道糖業のグラニュー糖、十勝ヒルズの白きんとき豆の酢を加えます。忘れちゃいけないのが仁木町のリンゴジュース。これでフルーティーで食欲をそそる自家製のジンギスカンダレの出来上がりです。
士別を訪れるまでは、サフォーク種のラム肉は超が付くほどに希少で、都会の高級な料理屋さんに行かないと食べられないと思っていました。でもそんなことはありませんでした。今、私の目の前には見事な士別ラムのジンギスカン肉が確かに並んでいます。
士別では、加藤さんのような若き羊飼いの皆さん達に、顔の黒い愛らしい仔羊たちが確かにに育てられていました。都会のど真ん中で、希少な食材を探し回るぐらいなら、思い切って産地に行ってみた方が、案外出会えることもありそうです。
でも、誠実な態度と食欲で生産者さんに接することと、初めて手にする3kgの塊肉にも動じない図太い心が必要かもしれませんけど。準備は万端。明日のバーベキューが楽しみになりました。
自家製ジンギスカンだれ (4人分)