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EPISODE #189
【お料理】手作りドレッシングでサラダをご馳走に
待ちに待った春の野菜が手に入りました。サラダ作りにもいつも以上に気合が入ります。去年の夏にお酢が手に入ってからというもの、ずっと試行錯誤を続けてきたドレッシング作り。この日は自信作ができました。
今回は、久しぶりに純粋なお料理の回、我が家のドレッシングの黄金比率のお話です。
ドレッシングは、スーパーで瓶で買うもの。いやいや、コンビニサラダ用の小分けのパックで買うもの。お気に入りは、定番のノンオイルの青じそ味。高校生ぐらいからずっと同じ味を食べ続けていました。つまり、サラダもドレッシングも、特別好きな食べ物ではありませんでした。
ですが、100マイル地元食に挑戦したことで、生の野菜が食べられるのがすごい事だと気が付きました。今この瞬間に地元の農家さんが野菜を作ってくれているからこそ、生の野菜が手に入るのです。生で食べられる季節の野菜をしっかり美味しく食べる。いつからか、サラダとドレッシングはご馳走に変わりました。
サラダの美味しさを左右するドレッシング。昨年夏の十勝旅行で探し当てた、十勝ヒルズの穀物100%のお酢は、我が家のドレッシングを劇的に美味しくしてくれました。毎週のように自家製ドレッシングを作り続けたことで、我が家の好みにぴったり合ったレシピにたどり着くことができました。
ドレッシングの基本は、油と酢と塩です。でもそれだけじゃ旨味も香りも足りないので、食材を追加します。この日のドレッシングには、ニンニク、自家製ベーコン、玉ねぎ、ベビーしいたけと三つ葉を入れることにしました。これだけ入れれば、美味しくなるに違いありません。
ニンニクは1片を、皮を剥いて半分に切り、味が出やすいように押し潰しておきます。他の食材は、5mm角ぐらいに切っておきます。小さな鍋にたっぷりの米油を入れて、三つ葉以外の食材を入れたら、一番弱火でじっくりと温めていきます。
フツフツと小さい泡が出始めると、ニンニクとベーコンの良い香りが漂ってきます。透き通ってきた玉ねぎからは自然な甘みが出ているはずです。ベーコンが茶色く色づいて表面がカリッとしてきたら火から下ろします。炒まった具材と、美味しさが溶け出した油は別にしておきます。
ドレッシングの作り方は、いろいろなレシピサイトで紹介されています。一般的だったのが、油と酢の比率が4:1というものでした。でも、それだと私と妻には油が強すぎました。そして辿り着いた比率が、3:1です。入れる具材が変わっても、油と酢の比率はそのままです。
ボウルに移した具材の炒め油にお酢を加えます。十勝ヒルズの白いんげん豆の酢と勝山シークヮーサーを選びました。酢とシークワーサー果汁を合わせて、3:1の1の量です。ここに入れるのが塩です。レシピだと「ひとつまみ」と書かれていてわかりにくいのですが、我が家では液体の3%がちょうど良いと落ち着きました。
この日作った量が、油90mlに酢30mlで合計120ml。液体の3%で3.6gの塩(わかりやすく1mlを1gと考えてます。)です。塩も入れたら、シャカシャカとよくかき混ぜます。そのうち、とろりと乳化してくるので、香り付けの三つ葉を入れて軽くまぜて完成です。
「油3、酢1、塩3%」これが、我が家が発見したドレッシングの黄金比率です。あとは好きな具材を入れて味と香りを足せば良いし、油もお酢も違う種類を使えば、アレンジは無限大です。毎週、季節の香りがする全く別のドレッシングで作ったら、サラダが食卓の主役になります。
この日のサラダは、レタス、水菜、キュウリとトマトにしました。よく混ざるように小さめに切ります。へたってない新鮮でみずみずしい伊達産のレタスを、パリッパリッと子気味良く切っていきます。トマトは、洞爺湖のほとりの壮瞥町で地熱を活用して作られた “オロフレトマト” です。熟した真っ赤な色がまぶしい綺麗なトマトです。
切った野菜に、ドレッシング作りで炒めたカリカリの具材を乗せたら、それに三つ葉が香るドレッシングをたっぷりかけて和えます。オイルをまとった野菜がキラキラ光ります。まんべんなく和えて、野菜が少ししんなりしたら完成です。
「ドレッシングは買って来るもの。」
それがたぶん当り前なのですが、想い入れのある野菜を食べる日だけでも、ドレッシングを作ってみてはいかがでしょうか。ハーブが無くても、コショウが無くても、おしゃれなオリーブオイルが無くても良いんです。地元の普通の食材だって、しっかり向き合ってあげれば素敵な魅力に満ちていることに気が付くはずです。
「油3、酢1、塩3%」これだけ知っていれば、ドレッシング作りが難しいなんて、ただの都市伝説だと笑い飛ばせます。
さて、我が家のサラダはどうだったのでしょうか。重なり合う香りと、艶やかな色合い、思った以上の出来栄えに、つまみ食いを我慢できませんでした。妻と私でサラダボウルを取り合うように、つまみ食いをしていたら、ついつい夕食前に全部食べてしまいました。
これだからサラダ作りは止められないのです。
三つ葉ドレッシングのサラダ(6人分)