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【お料理】個性派な魚との正しい付き合い方

EPISODE #99

【お料理】個性派な魚との正しい付き合い方

2017.10.26

お料理

寿都漁港で買えたのは、サバだけではありませんでした。他にも珍しい魚、ボラを買うことができました。個性的なこの魚をどう料理したらいいかのかわかりません。

まずは、長男(6)のためにちょっとだけ刺身にします。が、なかなか個性的な味がしました。これはどうしたものか。今回は、ボラにぴったりの料理法を探したお話。

青木君が愛した魚 ボラ

寿都漁港のボラに出会ったのは、これが初めてではありません。6月の水産ウィークで、高校からの友人で、魚をもっと食べようと活動している青木君と、寿都を訪れた際、ボラに初めて出会いました。でも、その時のボラは金ボラ。正式には、近縁のメナダという魚でした。

でも、メナダの旬が初夏なのに対して、ボラの旬は秋から冬。まさに今なのでした。青木君は、世の中であまり認知されていないボラを、人生をかけて広めたいと本気で考えているようです。私も、なんとか美味しく食べる方法を探してあげたい。美しい友情です。

50cmはある立派なボラは、まな板の上に収まりません。大きなウロコは剥がすと飛び散るし、骨が硬いから3枚おろしにするのも大変です。それに見た目。どちらかと言うと魚顔の私は、以前、「ボラに似てますね。」と言われたことがあり、いざ捌こうと思うと複雑な気分になります。

刺身のクセを消すためにした工夫

まずは、青木君も勧めていた刺身で食べる事にしました。長男は、私が寿都に買い物に行く度、夕飯に刺身が出ると期待しています。彼の気持ちは裏切りたくない。でも、捌いている時から、ボラ特有の香りと言うか、クセが気になっていました。

クセを消すために、昆布じめにしました。プリプリした白身に軽く塩を振って、濡らした昆布に挟んで、ラップで巻いて冷蔵庫に一晩入れておきます。そうすると、身の余分な水気を昆布が吸ってくれる代わりに、昆布の旨味と香りが身に移ります。

さらに、剥がさないでおいた皮をガスコンロの火で炙って、焼霜造りにしました。これだけやれば、クセも無く美味しく食べられる...喜んで食べたのは長男だけでした。やっぱりちょっと匂いが気になります。私と妻は、もっぱら活甘エビと青ツブに夢中です。

困ったら油で揚げてみる

生臭いわけではないのですが、青臭いような独特の香りです。青木君のようにボラが好きな人には、たぶん個性的でちょうど良いアクセントなのでしょう。さて、どうしたものか。大きな魚ですので、まだたっぷりと身が残っています。

青木君に聞いたところ、フライにしても美味しいと教えてくれました。ここは、北海道らしく、塩ザンギにします。塩、砂糖、酒、おろししょうがで下味を付け、卵、片栗粉、小麦粉も衣を絡めて、米油で揚げました。

個性的なボラの風味に負けないよう、甘酢ソースも作ります。煮切った酒、十勝ヒルズのながいも酢、自家製トマトケチャップ、塩と砂糖で味を調えます。みじん切りのネギと、おろしショウガも加えておきましょう。これで完璧なはずです。

クセは消さずに受け止める

甘酢ソースの鮮烈な味を、塩ザンギの衣の香ばしさと、ボラの個性がしっかりと受け止めて、素晴らしいバランスです。こう料理すると、脂がのった旬のボラの個性が、嫌味なところは全くなく、際立って感じられます。クセは消すのではなく、受け止めてあげるのが正解だったのです。

地元の漁港に通うことで、馴染みが薄い、珍しい魚に出会えるようになりました。そんな個性的な魚を美味しく食べるには、ぴったりの料理法を探してあげないといけません。一度食べて苦手だなあと敬遠してしまえば、本当の美味しさに届く前に諦めることになります。

100マイル地元食を始めてから、輸入品の紅鮭や塩サバのように、いつ食べてもそれなりに美味しい魚が買えなくなりました。今では、足元で光を浴びていない魚をいかに美味しく食べるか。ここに面白みを感じています。個性的な我が家と個性的な魚。クセが強い同士、ぴったりの組み合わせです。

 

材料とレシピ

ボラの昆布絞め焼霜造り

  • ボラ 300g   寿都 58mile
  • 塩 小さじ1/2 岩内 40mile
  • 昆布 適量     浦河 97mile
  1. ボラを3枚におろし、腹骨と中骨を取り、必要な量に切る
  2. 切り身に塩を振り、水洗いした昆布で挟み、ラップで巻いて冷蔵庫で一晩おく
  3. 昆布をとって、皮を下にして網にのせ、ガスコンロの強火で炙る
  4. 皮に焼き目がついたら、氷水で一瞬冷やし、水気を拭いて、刺身にして完成

 

ボラの塩ザンギ

  • ボラ 700g    寿都 58mile
  • 塩  小さじ1    岩内 40mile
  • 砂糖 小さじ1/2 伊達 45mile
  • ショウガ 1かけ   岩見沢 26mile
  • 酒 大さじ3     新十津川 45mile
  • 玉子 1個      千歳 25mile
  • 片栗粉 大さじ3   真狩 32mile
  • 小麦粉 大さじ1   江別 12mile
  • 米油 適量      深川 35mile
  1. ボラを適当な大きさに切って、ビニール袋に入れ、塩、砂糖、おろしショウガ、酒をかけて揉みこみ、2時間ほど味を馴染ませる
  2. 1に、玉子、片栗粉、小麦粉を入れて揉み込む
  3. 170℃の油で薄く色づく程度に揚げ、5分置いておく
  4. 190℃の油でこんがりキツネ色まで揚げて完成

 

甘酢ソース

  • 酒 大さじ3   新十津川 45mile
  • ながいも酢 大さじ2 幕別 98mile
  • 自家製ケチャップ 大さじ1
  • 塩 小さじ1/2   岩内 40mile
  • 砂糖 小さじ1  伊達 45mile
  • ショウガ 1かけ 岩見沢 26mile
  • 長ネギ 5cm  函館 93mile
  1. 耐熱のグラスに酒を入れ、電子レンジの500wで30秒温めアルコールを飛ばす
  2. 酢、ケチャップ、塩、砂糖、みじん切りのショウガと長ネギを入れる
  3. 再び、電子レンジの500wで30秒温め完成

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