あの興奮の水産ウィークでは、我が家から車で行ける海に、新鮮で美味しい魚介類が待っていました。そして、ハイライトは100マイル範囲内の南茅部の本マグロとの出会い。

青木君の手によるマグロのキッチン解体ショーでは、半身マグロから刺身15回分とることができました。それも残すは5回分。そろそろ寂しくなってきました。

ですが、今回注目するのは刺身にならなかった部位たち。マグロにこんな隠れた部位たちがいるなんて、知らなきゃ良かった。

カマ、筋、血合いに皮

半身のマグロ(業界の方はフィーレと呼ぶ)は、丸のままのマグロから、頭、エラ、内臓、骨と尾をとったものです。この状態から刺身のサクにするには、まだ取り除かないといけない部位があります。

エラに面した腹ビレと胸ビレの周りの部分のカマ。背中に近い部分の硬い繊維質の。フィーレの真ん中に通った血合い。そしてです。

もちろん刺身としては食べれません。それどころか、料理しにくい、クセが強い、見た目が気持ち悪い...簡単な相手ではありません。それだけ挑戦し甲斐があります。だからこそ工夫して上手くできた時の喜びは大きいのです。

刺身にならない部分の直感クッキング

ます、カマです。これは迷うことなく、カマ焼きです。ここでも万能シーズニングを使います。午前中からカマに擦り込んで味をつけておき、オーブンでさっと焼き上げます。1品目、カマのオーブン焼きの完成です。

これは文句なしに美味しい。想像通りの味で裏切りません。しっとり脂がのった柔らかな身です。

次に、筋。白い繊維が見るからに硬そうです。まずは、臭いをとり、柔らかくするため、下茹でします。その間にどう料理するか悩みます。味見すると意外と淡泊でクセが無い味。パセリとパン粉をのせて焼いてみました。2品目、マグロ筋の香草パン粉焼き

あっさりとして、上品な味。もう少し短めに加熱した方が柔らかかったかもしれません。

血合いは、生臭い。こちらもしっかり下茹で。すごい量のアクが出るので細目に取り除きます。味見するとクセは残っていますが濃い旨味もあります。モツ煮のイメージで味噌味にします。3品目、マグロ血合いの味噌煮込みです。

こいつは絶品です。ご飯が何杯でも食べられます。飯の友として、しっかり冷凍保存しました。

手探りのマグロ皮湯引きイタリアン風

最後に皮。よくマグロ料理をする方に聞いても、皮は料理したことないと言われました。調理方法が全く見当がつきません。まずは基本の臭み取りの下茹でをします。場所によってはウロコが残っているので、流水で掃除します。

かじるとプリプリの歯ごたえとパンチのある味と香り。直感的にこれはトマトとバジルのイタリアン風だと決めました。オリーブオイルの代わりに米油ですが、みじん切りのにんにくをじっくり炒めて香りを出します。

そこに角切りのトマト、舞茸、ししとうを入れて油を絡めるぐらいに炒めます。白ワイン、トマトジュースを入れて、塩で味付け。最後にちぎったバジルを入れて混ぜてソースのできあがり。

細く切っておいたマグロの皮に、熱々のソースを絡めます。トマトの赤、バジルとししとうの緑、マグロの皮の黒が散りばめられた食欲を誘う色です。4品目、マグロの皮の湯引きイタリアン風

皮と野菜の歯ごたえ、トマトの酸味と甘味。これはパンに乗せるか、それともパスタか、食べ方のイメージが広がります。アドリブですが見事なイタリア料理です。これが一番好きです。

 病み付きになる〇〇じゃない部位

魚には、メインで使われる部位があります。マグロなら刺身にできる赤身、中トロ、大トロです。でも、それではない隠れた部位もあります。食べ方によっては、こちらの方が美味しいこともある。マグロの刺身じゃない部位たちは、すごいことを教えてくれました。

メインじゃない、料理が難しい、クセが強い、見た目が悪い、それだけ文句を言われても、うまいものはうまい。100マイル地元食をきっかけに、知ってしまった〇〇じゃない部位の魅力。魚はできるだけ丸のまま買う。これも食材を楽しむためのポイントです。