©100マイル地元食
EPISODE #27
誕生日に自分ローストチキン
北海道-道央エリア
7月
100マイル地元食では、地元の食材をより楽しむことを第一の目的にしています。だから、家族や友人と楽しめるパーティーメニューは欠かせません。
家庭で簡単に作れるパーティーメニューと言えば、ローストチキンで間違いありません。難しそう...面倒くさそう...それほどでもありません。コツさえ覚えれば誰でも作れます。
そう、大事なのは美味しい!と喜んでくれる人の顔をイメージして作ること。今回は、それがたまたま自分だっただけ。自分の誕生日パーティーに合わせ、自分のために作ったローストチキンのお話。
大昔ですが、大学生の時代にサークルの新入生歓迎キャンプなるものがありました。私は2年生でもてなす側でした。夕飯のメインディッシュに選んだのが、当時流行り始めていたダッチオーブンを使って焼くローストチキンでした。
初めて作ったにも関わらず、想像以上の出来栄えで、新入生からは尊敬の眼差しを向けられるようになりました。以来、私の中でローストチキン作りは、できる男の基本動作になりました。
6月は、私と、娘の誕生日が同じ週にあります。それならローストチキンを作らなきゃ。テーブルの真ん中にででんと置かれると、それだけでパーティーは大盛り上がりです。
鶏肉は、車でちょっと行ったところのコープで2kgの丸鶏を買ってきます。100マイルルールで買える、勇払や伊達で生産されたいぶり鶏があるからです。
我が家に帰ったら、前日の下準備開始です。我が家のオーブンレンジのサイズでは、丸鶏は少し大きすぎます。背骨にそって、縦半分に切ります。水産ウィークの前に用意した出刃包丁がまた活躍しました。
シーズニング、つまり下味付けをします。肉1kgに対して、塩大さじ1杯、砂糖大さじ1/2杯、その時にあるハーブを大さじ1/2杯。これでおしまいです。このシーズニングは、実はベーコンの下味付けのレシピを応用したものなんですが、お肉料理を一番美味しくしてくれる黄金比なのかもしれません。
丸鶏は、なかなか味が中に入りません。なので、千枚通しや串をこれでもかと突き刺して、小さな穴を開けていきます。この穴から味が浸透するはずです。シーズニングと、日本酒もかけます。水分が入って、ジューシーになるからです。ボールやビニール袋に入れて、一晩から半日冷蔵庫に入れておきます。
夜な夜な行われるこの作業は、少し不気味です。ニヤニヤしながらアチョーと言って、丸鶏に千枚通しを突き立て、愛おしそうにシーズニングを揉みこみます。家族には見られないように注意が必要です。
オーブンは、250℃で予熱しておきましょう。その間に、オーブンの角皿に、焦げ付き防止と香り付けのため、丸のままのセロリを並べます。次に、半分に切っただけのじゃがいもや玉ねぎを並べます。丸鶏のボウルにシーズニングの液が残っているので、少しかけてあげましょう。
ここまでやったら、ついに丸鶏の登場。皮の面を上に、お芋は鶏のお腹の下に、玉ねぎは鶏の周りに。好みに合わせて、そして見栄え良くセットします。それでは、オーブンさんお願いします。
2kgの丸鶏なら、250℃で20分。皮に焼き色が付いたのを確認してから、さらに200℃で70分。ここはもうオーブンを信じて待つしかありません。我が家のオーブンは前後で温度ムラがあるので、残り30分で前後を入れ替えました。
自分のために(ちょっとだけ娘の誕生日のためも)、自分で作ったローストチキン。セット完了したテーブルの真ん中にどんと置きます。湧き上がる歓声と尊敬のまなざし。できる男は、手際よくナイフとフォークで切り分けます。最初にナイフを入れる瞬間、肉汁が噴き出すので注意。慌てた顔は華麗にごまかします。
胸肉はまったくパサつかずジューシー、もも肉はコクがあってとろけます。最高の出来栄えに、気分は大学生に戻ります。肉汁を吸ったじゃがいも、玉ねぎ、セロリも堪りません。切り分けるのが間に合わないほどのペースでみんなが食べます。この日の主役はホスピタリティたっぷりにサーブし続けました。
楽しいパーティーはあっという間。でも、このメニューはまだまだ終わりません。残り物が嬉しいストックに化けるのです。角皿に残った肉汁は、鍋にとり、トマトジュース、リンゴジュース、塩を入れて煮詰め、グレービーソースにします。これ何にでも相性抜群のソースのできあがり。
残った肉は、小さく切り分けて冷凍し、真空パックにしておきます。これがまた便利。お出かけの時のサンドイッチ、ボリュームを出したいサラダ、子供のお昼ご飯にと、大活躍です。そして、骨も捨てません。鶏ガラとして圧力鍋で煮出せば、上品なチキンスープの出来上がり。
100マイルローストチキンMYSELF、我が家では流行ってます。
ローストチキン