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毎朝食べる妻の焼きたてパン

EPISODE #23

毎朝食べる妻の焼きたてパン

2017.7.7

お料理,シーズン1

 我が家の1日は、いつも焼き立てパンから始まります。妻と3人の子供の上2人は筋金入りのパン派で、あまり朝食を食べない私も、何となくパンを食べています。100マイル地元食を始めてからも、この習慣は続けていきたいと考えていました。パンに入れる材料は、小麦粉、牛乳、玉子...何とかなりそうです。

 しかし、問題が1つ。イースト菌です。ルールについて家族会議が開かれました。妥協したくない私、子供の健康を第一に考える妻。何も知らずにパンを要求する子供。話し合いは大荒れになりました。

どうしても子供たちにパンを食べさせたい

 結婚して2年ほど経った時でしょうか。妻が珍しく家電を買いました。家庭で手軽に食パンが焼けるPanasonicのホームベーカリーでした。その頃からパン派の妻は、毎朝焼き立てのパンが食べられる生活に憧れていたのでした。

子供が産まれてから、朝食を食べるようになると、自然とパンを食べるようになりました。3人の子供のうち、長男(6)、長女(3)は、超が付くほどの偏食です。栄養バランスを考えると、どうしても牛乳や玉子が入った栄養たっぷりの食パンを食べて欲しい。そんな愛情が詰まった食パンの朝ごはんでした。

100マイル食パンは作れるのか

 北海道は農業王国で、穀物のほとんどが作られています。米、とうもろこし、豆、そしてもちろん、小麦もあります。北海道産の小麦粉は、スーパーマーケットや各地の農産物直売所で売られていて、100マイル内でもいくつものブランドの選択肢があります。我が家では、お手軽価格の強力粉と薄力粉を購入し、半々に混ぜて中力粉にして使っています。

 牛乳や卵、バターも塩もあります。砂糖はあの伊達のほのぼの印。楽勝です。ですが、1つだけ、どうしても見つからないものがありました。イースト菌です。イースト菌、つまり酵母菌は、パン生地の中の糖分を食べて増殖します。その過程で炭酸ガスを出すので、生地の中に気泡ができて、ふっくらフワフワのパンができます。

 つまり、イースト菌が無ければ食パンは作れません。天然酵母を使った手作りパンのレシピも最近は多く紹介されています。ですが、毎日作る食パンを難易度が高い天然酵母に切り替えるのは、今の我が家ではほぼ不可能です。であれば、パラパラの粒状になったドライイーストが必要。これは困りました。

100マイルルール会議を始めます

 私は、100マイル地元食は、ルールを厳しくした方が、苦労が増える半面、喜びも大きいと考えています。なので、塩が無ければ探しに行くし、それでも無ければ海水から作ればいい。塩が手に入るまでは、味の無い料理を食べるしかないし、それで体調を崩してもしょうがない。そんな考えでした。

 しかし、妻は違います。彼女は家族の健康を守る責任者です。作る料理は塩分の摂り過ぎを気にして薄味です。夕飯には必ず野菜のメニューを一品加えます。特に子供の健康には気を配っていて、野菜をどうやって食べさせるのかいつも工夫しています。

 そんな妻が、100マイル地元食を始める際に一番気にしていたのが子供たちの健康でした。家族の健康が保てないようだったら、100マイル地元食は止める。そう、食パンが作れないなら、100マイル地元食なんて続けられない。覚悟を決めた彼女を説得するのはほぼ無理でした。

 私たち夫婦の100マイル地元食へのスタンスは、毎日の食生活を、そして人生をより楽しむために挑戦するということ。健康を害してや、家庭の不和を引き起こしてまで、やっていく必要はありません。それは一致できました。

例外ルール第1号の食パン

 そこで、我が家では100マイル地元食ルールに、例外ルールを追加しました。

  • 家庭で手作りする場合に限り、菌類(イースト菌、麹菌など)は100マイル範囲外のものを購入してもよい。
  • もし、100マイル範囲内の菌類が買えるなら、それを優先して購入する。
  • 100マイル範囲外の菌類を使った加工食品は、他の原材料が100マイル内であっても購入できない。

 このルールを作ったことにより、我が家の平和と子供たちの健康が守られました。そんなことはお構いなしに、今日の朝も、ホームベーカリーは、ピーピーというタイマーの音と、香ばしい匂いで、食パンが焼き上がったことを教えてくれます。

材料とレシピ

  • 小麦粉(中力)250g   江別 12mile
  • 牛乳     160㏄ 札幌  7mile
  • 玉子     中1個  千歳 11mile
  • バター     15g   江別 12mile
  • 砂糖     大さじ2 伊達 46mile
  • 星の塩    小さじ1 岩内 40mile
  • ドライイースト小さじ半 例外 範囲外

  1. ホームベーカリーの窯にイースト以外を入れて本体にセット
  2. 本体蓋の投入口にドライイーストを入れる
  3. 翌朝の朝食の時間に予約して眠る
  4. 焼き上がったらパンを取り出し、粗熱をとってから切る

※製造メーカーは、時間予約して利用する場合に牛乳と玉子の使用を推奨していません。レシピを参考にされる際はご注意ください。

コメント

  1. Masae.H より:

    100マイル、すごいですね!
    ブログ楽しく見てます!
    イースト菌の代わりになるもの、探してみたら、知ってるかもですが、卵白を泡立てて砂糖を加えると(メレンゲですね✨)代用品になるとか……。とても良い材料を使ってるので、失敗したらどうしよう……とおもってますが……。美味しかったら教えて下さいね

    • 鈴木 俊介 より:

      おはようございます。書き込みいただきありがとうございます。イースト菌の代わりということで、実はメレンゲも試してみたんです。その結果は…来週土曜の妻の更新回でご紹介いたしますね!

      使っている材料はちょっとだけ割高ですが、そんなに高級品を使っているわけではありません。ただ、この食生活を始めてからは、食べ物の大切さを思い知らされたので、なるべく無駄にしないようにと心がけるようになりました。これも素敵な変化ですよね。

      別の方からは、実は十勝で地元産のドライイーストを開発された大学教授がいると教えていただきました。今度、会いに行ってみようと思います。

      これからも、感じられたこと、気づいたことを書き込んでいただけると、とってもやる気が出ます。今後ともよろしくお願いいたします。

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