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【7月ダイジェスト】

EPISODE #40

【7月ダイジェスト】

2017.8.5

月次ダイジェスト,シーズン1

 50,370回 この数字を見た時、何を思うか。それは、あなたがどれだけ今の食事を楽しんでいるか、無意識の内に教えてくれます。

 この数字は、36歳になった私が、男性の平均寿命81歳まで生きた時の、残りの食事回数です。最後の時まで1日3食しっかり食べるとこうなります。

 これしかご飯食べられないのか。そう思った食いしん坊は、今の食生活を楽しめている幸せな人です。今回は、7月の出来事をまとめた7月ダイジェストです。

あなたは毎日の食事を楽しんでいますか

 逆に、この数字の多さに途方に暮れた方、少し心配です。それは、かつての私と同じだからです。人間は普通、1日3回も食事をとります。その度に何を食べるか考え、買い、食べ、何かを感じ、また仕事や遊びに戻っていきます。

 この一連の食事の行動を面倒だと感じる人もいるはずです。考えることを止め、同じものをただ選び、口に運んでカロリーと必要な栄養素を摂取する。1日3回も給油しなければいけない、こんな燃費の悪い車に乗っていることを恨みます。

 でも、それでは、もっと美味しくて楽しいはずの人生の時間がもったいない。一番簡単に感動できる時間、食事の時間を無駄にしてしまっているからです。まずは自分の残りの食事回数を計算してみてください。

男性:(81歳ー自分の年齢ー1)× 3食 × 365日

女性:(87歳ー自分の年齢ー1)× 3食 × 365日

7月は食事を楽しむためのプチ贅沢な1か月

 6月1日に、100マイル地元食生活を始めてから1か月が経ち、このライフスタイルで、最低限、生きていける自信がついてきました。そうなると、うずうずしてもっと食事を楽しみたくなるのが、人間てもんです。

 もうちょっと贅沢な肉が食べたい。最近、甘い物食べてなかったな。あー、この料理に合うお酒が欲しい。

 ずっと食べていなかった牛肉を求めて、白老町まで買い物に行きました。探していたのは白老牛。あまりの高さに驚きながらも、手頃な部位を勇気を出して買いました。中が程よく火が通ってピンク色、赤身らしい歯ごたえと肉汁を蓄えたステーキ。これに代わるものなんてこの世にありません。

 長男(6)、長女(3)の伸び盛りの子供たちの食欲に応えるため、そしてちょっとだけ大人のわがままのため、お菓子作りも始めました。

 父親が初めて作ったラング・ド・シャ、母親の愛情がつまった発酵ドーナツ、ふわふわシフォンケーキ娘が待ち望んだアイスクリーム。久しぶりの優しい甘さに、子供の顔はキラキラ。大人もつまみ食いして静かに身震いします。

 美味しい食事が作れるようになったら、美味しいお酒も欠かせません。我が家からすぐ近くの藤野ワイナリーに、ワインを買いに行きました。森を流れる川のそばに、小さなワイナリーがありました。ドアを開けて2階の試飲室にのぼる階段。窓の外に広がる緑と、透き通るボトルの輝き。全てがワインとの出会いを演出してくれます。

いつでも美味しい加工品へのチャレンジ

 トマトの収穫が始まったら作りたいものがありました。それはトマトケチャップ。壮瞥町の清水農園のお母さんから買った山盛りトマトを、じっくりことこと煮詰めていくと、ずっと待ち望んだケチャップができました。オムライスになっても、しっかり主張するトマトの酸味と香り。我が家のお昼ご飯の定番メニューになりました。

 そして、男のロマンだ!と挑戦した燻製ベーコン。塩漬けと乾燥に2週間、燻製に4時間、一晩寝かして出来上がった金色に輝くベーコン。待ちくたびれる間に高まった期待感のさらに上をいく旨さ。熟成され濃縮された豚の脂の旨味、食欲をくすぐる燻煙の香り。保存を考えて少し強めにした塩味が、ガツンと舌を直撃しました。こちらは勝負の日の朝ごはんにだけ登場します。

食事は健康でいるための我慢じゃない

 かつては、白いご飯を控えて、サラダを山盛り食べても、なかなか痩せませんでした。仕事の食事、衝動的に食べちゃう寝る前のアイス。痩せるはずはありません。そうなると我慢するのが普段の食事でした。食べたい物を我慢する食事が、美味しくて楽しいはずがありません。

 100マイル地元食を始てから、少しずつ変化がありました。減る気配が無かった私の体重が減り始め、子供たちの食べず嫌いが少しずつ減り。食べてくれる量も増えました。3人目の赤ちゃん、次男(0)の体重もすごい早さで増え、産後の妻も体力が戻ってきました。

 こんなに楽しく、美味しいご飯を毎日食べていて、家族が健康に成長する。こんな効果、まったく思いもよりませんでした。

3倍美味しい100マイル地元食

 食事をしたときの美味しさは、舌で感じるものです。食べ物を食べるたび、ビビッと感じますが飲みこんだら、それでお終い。感動するほど美味しい食べ物に出会えることは、1年でも数回もありませんでした。そう、100マイル地元食を始めるまではね。

 産地に行き生産者に会い食材を買う。じっくりと時間をかけて料理をする。家族や友人と食卓を囲んで食べる。この3つが揃うと、何も特別ではない普通の料理に、本当に感動します。そんな料理は、少なくともかつての食事の3倍は美味しい。

 今までの3倍美味しいご飯。残り5万回しか食べられないなんて残念でなりません。毎日、もっといっぱい食べなきゃ。気付けば、季節は夏。ここ北海道は収穫の夏です。今しか食べられない旬の食べ物を探しに、そして、一緒に食べてくれる友人を探して、8月も走り回ります。

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